インタビュー
セブン、沖縄で100店舗達成 ファミマとローソンの「牙城」にどう切り込む? 現地法人社長に聞く:沖縄進出2年(3/4 ページ)
コンビニ最大手の「セブン-イレブン」が“最後の空白地”だった沖縄県に初出店した2019年7月11日からおよそ2年がたった8月19日、県内100店舗目の出店を達成した。
セブンでしか売っていない商品が食べたい
セブンの沖縄進出を県民はどのように感じていたのか。「新しいコンビニチェーンができる」という期待感があったことは確かだ。その証左として、19年7月の初出店の日には、店舗に行列ができ、その様子が全国のテレビニュースで報じられたこともあった。
出店に向けて同社は、1万人規模のアンケートを実施してニーズの把握に努めてきた。沖縄県民からは、旅行や出張などで県外に行った時に体験した「セブンにしか売っていないあの商品が食べたい」という声が多くあったという。
そのようなニーズに応えるべく、「セブンでしか食べられない味」「沖縄の人の嗜好に合った味」をなるべく利用客の手に届けられるように、沖縄県内に食品の専用工場を設けた。同時に、専用工場での生産管理を徹底することで「食の安全・安心」にもつなげた。
「揚げ物の人気が高いなど、沖縄の人に合った味覚や食文化があります。ジューシー(沖縄の炊き込みご飯)は、お客さんのご要望を聞きながら新しくして、7月にもう一度販売を始めました。このように、スピーディーに対応できるというのは専用工場を持つ強みだと思います」
他にも、シークヮーサー味の杏仁豆腐や、ゴーヤーチャンブルー丼、沖縄ちゃんぽん(野菜や肉などを炒めて卵でとじ、ご飯の上に乗せた沖縄料理)など、沖縄のコンビニならではの商品展開を進めており、「地元のコンビニ」としての色合いも押し出している。
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