セブン、沖縄で100店舗達成 ファミマとローソンの「牙城」にどう切り込む? 現地法人社長に聞く:沖縄進出2年(2/4 ページ)
コンビニ最大手の「セブン-イレブン」が“最後の空白地”だった沖縄県に初出店した2019年7月11日からおよそ2年がたった8月19日、県内100店舗目の出店を達成した。
沖縄のコンビニ店舗数は2桁台で増加
久鍋社長は「進出2年での100店舗達成は、あくまで積み上げてきた結果です」と、一つの通過点であることに言及しながら「今後は本島内全ての市町村に出店し、認知度を高めていきたいです」と当面の目標を語る。
帝国データバンクの調査によると、20年5月末時点での沖縄県内のコンビニ店舗数は615店舗で、前年同期比で10.4%増となった。セブンの店舗数急増が要因で、全国で唯一2桁台での増加率となった。現状ではさらに店舗数が伸びているため、650店舗以上は出店していると見込まれる。
セブンが新店舗を出す際に、他のコンビニチェーンの隣や向かいに出店するケースが続いたことがあった。このことが地元紙でも取り上げられるなどして“し烈なコンビニ競争”が加速していることが印象付けられたふしもあった。
久鍋社長はこのことに「あくまで当初の計画通りでした」と話す。
「沖縄県は本島中部・南部(面積にして南半分程度)に人口の大半が集中しており、当社はそういったマーケットがある場所に出店をしていきます。マーケットがある場所には、他のコンビニだけではなく、スーパーマーケットや飲食店がすでに出店しています。どうしても他店の近くに出店することが必要不可欠になってしまいます。どのコンビニも、100メートルや200メートル離れると、他のお店が出てくると思います」
結果として、他のコンビニの隣に出店することが起こり得た。例えば、セブン-イレブン・沖縄のオフィスがある那覇市の松山地区では、半径約100メートル以内にセブン、ファミマ、ローソンが各2店舗ずつ、計6店舗が出店している。
このことは、コンビニの利用客自身が「どのコンビニのどの商品を買うか」という選択幅が広がることも意味している。久鍋社長は「例えば、コーヒーを買うにしてもコンビニごとに味が違いますし、お客さんが選ぶことになります。おいしい商品を作り続けていくことが、他のチェーンさんとの大きな差別化となると思います」と話す。
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