「かつや」以外も! 「中山豆腐店」や「東京たらこスパゲティ」を次々仕掛けるアークランドサービスの開発力:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)
かつ丼「かつや」、から揚げ「からやま」を展開するアークランドサービスホールディングスの業績が好調。コロナ禍でも次々と新しい業態を開発している。
から揚げ専門店の「からやま」を展開
アークランドサービスでは、子会社のエバーアクションが14年よりから揚げ専門店の「からやま」を展開しており、コロナ禍になったから急きょ開発したわけではない。店舗数は112店で、かつやに次ぐ収益の柱となっている。
そのからやまの元となったのが、テークアウト専門の「からあげ縁」だ。BAN FAMILYという09年設立の会社が経営していたが、15年10月にアークランドが買収して子会社化した。
からやまは、からあげ縁とかつやのコラボレーションで誕生した業態。浅草発祥「からあげ縁」の生姜とニンニクを使用しない秘伝のタレに1日漬け込んだ鶏のから揚げを、かつやのようなレストラン形式で出店し、人気を博している。
からやまとからあげ縁は、大分県のご当地から揚げである中津の「もり山」、宇佐の「とりあん」などと共に、今日のから揚げブームをつくりだした立役者の1つである。
からやまは元からテークアウト比率が高かったが、それでも半分の50%ほどだった。現在は60%にまで上昇し、店内飲食よりテークアウトの売り上げが上回っている。
このようにから揚げにおいてもテークアウト需要が高まっていることもあり、コロナ禍ではからあげ縁のほうを重点的に出店している。コロナ禍後に13店を出店して48店となった。
また、から揚げに加えて焼き鳥を第2の柱とし、焼き鳥弁当も販売する新業態「からあげ・とり弁 縁」の店舗を開発。20年6月、横浜市の美しが丘に1号店を出店し、既に8店まで拡大している。
から揚げ以外にも、目の前で調理するキッチンの臨場感を顧客に楽しんでもらえる商品はないかと考えて、焼き鳥にたどり着いたとのこと。一番人気の「たれ焼きとり弁当」(637円)は、鶏もも肉に秘伝のタレを重ね塗りし、じっくり焼き上げる。余計な脂が落ち、外はパリッと香ばしく中は柔らかく仕上がった大判の焼き鳥1枚分を、シンプルにご飯に盛り付けた。
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