「かつや」以外も! 「中山豆腐店」や「東京たらこスパゲティ」を次々仕掛けるアークランドサービスの開発力:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)
かつ丼「かつや」、から揚げ「からやま」を展開するアークランドサービスホールディングスの業績が好調。コロナ禍でも次々と新しい業態を開発している。
すさまじい勢いで新業態を開発
アークランドサービスの新業態の開発は、怒涛(どとう)のごとくすさまじい。
20年には前出のから揚げ・とり弁 縁のみならず、スパゲティ「東京たらこスパゲティ」、天丼「江戸前天丼 はま田」、とんかつ「はま田」、スンドゥブ「純豆腐 中山豆腐店」、とろろそば「東京とろろそば」の計6業態を新規出店した。
今年に入ってからも、中華「東京ひつじ食堂」、グリルレストラン「スーパーグリルブラザーズ」を新規出店している。
東京たらこスパゲティは20年1月、進化形たらこスパゲティを標榜(ひょうぼう)しており、都内にある渋谷・宮益坂にオープン。若い女性に人気となって大行列をつくりだした。同年7月には、2号店の原宿表参道店を出店した。国内産硬質小麦とタピオカ粉を使ったもちもちの独特な生パスタ、手作業で店内仕込みをするめんたいこなどといったように、和風スパゲティに新しいアプローチで挑戦している。
お茶漬けのようにダシを掛けて食べる「炙りたらこのお出汁スパゲティ」、ちらし寿司に見立てた盛り付けの「三種の魚卵のたらこスパゲティ」など、どの商品もとてもユニークだ。
中山豆腐店は、20年5月に高田馬場にオープン。翌年9月には秋葉原に2号店を出した。北海道十勝地方で主に栽培される国産大豆「トヨマサリ」を使用した豆乳でつくる、自家製豆腐による韓国豆腐鍋のスンドゥブを定食にて提供する店で、牛プルコギや海鮮の具だくさんなスンドゥブなどもある。
韓国料理というと顧客が女性に偏るイメージがあるが、同店ではご飯お代わり自由とあって男性客がむしろ中心。激辛ラーメン店のようにからさが選べ、最高で「6辛」まである。
東京とろろそばは、20年8月、東京・五反田に1号店をオープン。駅前立地は1号店だけで、その後は神奈川の相模大野や横浜美しが丘など、いずれも郊外ロードサイドに出店して軌道に乗った。とろろそばというと、すりおろしたとろろ芋がそばの上に乗っているイメージがあるが、この店ではせん切りのとろろ芋を使っている。
“立ち食い以上、老舗未満”のゾーンを狙っており、看板の「肉とろろそば」はシャキシャキしたせん切りとろろの食感と、甘辛く炊いた煮豚のハーモニーを楽しめるようにした創作そばだ。
さらに、東京ひつじ食堂は今年4月に、東急東横線・学芸大学駅の近くにオープン。店名からは羊肉の店であることは想像できるが、ラム肉を使った町中華という大衆店ながらも尖がったコンセプトの店だ。低カロリーでヘルシーなラム肉をふんだんに使って、女性が1人でも入りやすい店を目指した東京たらこスパゲティの姉妹店とのこと。
看板メニューは「白ひつじ塩そば」「黒ひつじ担々麺」「赤ひつじ麻辣麺」という3種のラーメン。「ひつじ水餃子」「ラムチョップ」などの一品料理や、やかんで提供される「生レモンサワー」「杏仁のお酒」といったアルコールもそろえている。
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