ケンミンの冷凍ビーフン スーパーで1日1個しか売れないのに、なぜ自販機で50個も売れるのか:3分インタビュー(2/3 ページ)
ケンミン食品の冷凍ビーフンが売れていることをご存じだろうか。スーパーでは苦戦しているのに、自販機で販売したところ人気商品に。その背景に迫ったところ……。
1日に50個も売れるのかな
――国道2号線沿いに設置しているので、クルマやバイクはたくさん走行していますが、人はそれほど多くないですよね。自販機の立地としては、あまりよいところとはいえませんが、設置前にはどのようなことを考えていたのでしょうか?
田中: 自販機で冷凍ビーフンを販売したことがないので、どのくらい売れるのかよく分かりません。ただ、本体を購入しているので、利益は出さなければいけません。というわけで、初年度の売上目標は「1日に50個、月間1500食の75万円」を掲げました。ただ、正直なことを申し上げると、個人的に「1日に50個も売れるのかな。難しいのでは」と思っていました。
――それはなぜでしょうか? ちなみに、スーパーでは1日にどのくらい売れるのでしょうか?
田中: 一般的なスーパーで「1日に1個ほど」ですね。
――えっ? たったの1個?(失礼) スーパーで1日に1個ほどしか売れない商品を、「自販機で50個も売ろう!」なんて、ちょっと無理があるのでは?
田中: ワタシもそう思っていたのですが、実際に販売したところ、平日に50〜80個、休日に150〜200個ほど売れているんですよね。なぜ、これほど売れているのか。9月1日に設置したところ、地元のFMラジオ局さんから「紹介させていただきたい」という依頼がありました。で、放送されたところ、販売数がものすごく伸びまして。
自販機を設置しているのは、国道沿い。クルマを運転しながらラジオを聞いて、「冷凍ビーフンを買える自販機があるのか。ちょっと買ってみようかな」という人が多かったのかもしれません。あと、本社の前に交差点があって、信号が赤になれば停車しなければいけません。そのときに自販機を見て、「なんだあれは? 1個だけ買ってみるか」という人もいました。
さらに、周囲にはマンションがたくさん建っていて、そこの住民も買われたのではないでしょうか。「〇時に〇個売れた」といったことが分かるので、そのデータを確認したところ、午後11時から午前5時の時間帯に30個ほど売れた日もありました。「小腹が空いたので、夜食に一つ」となって、買われた人も多いのかもしれません。
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