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中国人の不動産爆買い復活の兆し〜大江戸温泉売却案浮上、投資家9割「日本に行きたい」浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(2/5 ページ)

中国不動産大手・恒大集団が債務危機に陥り、中国経済や景気への影響が懸念されている。大江戸温泉物語が中国企業と売却交渉しているとの報道が出るなど、観光業界の回復を見込んだ動きもある。中国の不動産市場の先行きと日本市場への影響を、中華圏で日本不動産を紹介するプラットフォームを運営する趙潔社長に聞いた。

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不動産価格が3種類、物件次第では15%の融資

――中国の不動産市場はこの数カ月、成約件数・成約価格ともに下落傾向にあります。恒大問題などがあり、マインドが冷え込んでいるのでしょうか。

趙氏 中国の持ち家信仰はとても強く、購入意欲そのものは引き続き高いと見ています。ただ、バブル封じ込めのためにさまざまな不動産購入規制が導入され、買いたくても買えない人が多いのが実態です。

 中国の不動産価格は少し複雑で、「市場価格(契約価格)」「税務署の評価額」「銀行の評価額」と3つの価格が存在します。

 広告などで表示される売り出し価格は税務署の評価額に基づいていますが、実際の価格は買い主と売り主の交渉で決まることが多いです。この契約価格はそれほど下がっているように感じていません。

 ただ、住宅ローン規制が厳しくなり、例えば大都市だと1軒目の購入は頭金を35%、2軒目は70%用意しないといけません。そして、銀行は市場価格ではなく、銀行の評価額に基づいて融資をします。

 建築から30年以上の築古のマンションだと、「市場価格は400万元でも、銀行の評価額は200万元」ということが往々にしてあり、そうすると2軒目の物件取得では、60万元しか融資を受けられないのです。

 そういう状況ですので、買いたくてもローンが組めないという事例が増えています。個人的なことですが、私の親せきも今年の夏にマンションを売りに出し、購入希望者が見つかったのですが、ローンが組めないという理由で話が流れました。

 今は住宅ローンの金利も5%を超えるようになり、キャッシュがないとなかなか買いにくい状況です。

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