自動運転の4車種一気試乗 見えてきた各社の考え方:高根英幸 「クルマのミライ」(5/6 ページ)
各メーカーや企業が開発した自動運転車を乗り比べた。これにより1台だけ試乗するのでは見えてこない自動運転に対する考え方、システム実現へのアプローチの違いなどが、改めて浮き彫りになった。
ホンダ レジェンドはレベル3は当然として、レベル2の出来が秀逸
最後に試乗したのは、ホンダ レジェンド ハイブリッドEXホンダセンシングエリート。あの世界初の自動運転レベル3を実現したクルマである。
しかしこのクルマ、レベル3の自動運転を搭載したことばかり話題にされがちで、全車速でレベル2を実現していることにはあまり関心が集まっていない。レベル2は他社でも実現しているから、新鮮味に乏しいというイメージなのかもしれないが、これが驚きの完成度を見せつけてくれた。
同乗してくれた技術研究所の小西達也氏によれば、レベル3を実現するために、レベル2でも必要なACCとLKSの制御をとことん磨き込んでいるそうだ。合流地点での左右から車線変更してくる車両の認識度も素晴らしく、実にスムーズにクルマが自分で走ってくれる。
クルマの動きのスムーズさ、すなわち操作のキメ細かさは他のレベル2とは段違い、という印象だ。その後、幸運にも(?)首都高速の県境付近で渋滞に遭遇することでレベル3の自動運転を体験できた。
トラフィックジャムパイロットと呼ばれる渋滞時のみ作動するレベル3の自動運転は、さらに運転の制御がキメ細かく、まるでハイヤーの後席に移動したかのように滑らかで、視線を完全に前方から外していても安心感があった。
しかし慢性的な渋滞を見せる都内の首都高速は、このトラフィックジャムパイロットの対象外となっており、このあたりに道路整備の必要性を感じさせる。それは自動運転技術が稚拙なのではなく、あまりにも道路環境が複雑かついい加減なのが原因なのだから、早急に解消するよう努力すべきだろう。
それにしてももったいないのは、このレジェンドのホンダセンシングエリートが限定100台のリース販売のみであることと、再リースという延長契約はできないことである。3年後には、現在のトラフィックジャムパイロットがどの程度の技術レベルにあるのか読み切れないし、大規模なアップデートは難しいことが理由のようだ。
レジェンドで渋滞を通過中の筆者。レベル3なのでテレビ画面を見ながらの走行が可能であるし、前方に注意をしなくても不安は感じなかった。それくらい、ベテランのプロドライバーの運転操作のような安定した丁寧な挙動を示してくれた
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