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コンパクト家電ブランド「レコルト」が、ブランド発足時から海外展開できたワケ:家電メーカー進化論(3/7 ページ)
デザイン性が高く、お値ごろな家電が揃う人気のキッチン家電ブランド「レコルト」を展開するウィナーズ。実は日本だけでなく、海外でも人気を集めているという。家電メーカーとしての目指す道と、積極的な海外展開について、創業者でもあり、代表取締役の岡野真二氏に話を聞いた。
とはいえ、ブランドを作り、商品を揃え、販売していくのは非常にハードルが高い。そこでまず、縁があったドイツの老舗家電メーカーと契約。05年頃から日本総販売店となる。この家電製品を代理店に卸す形で、家電の取り扱いをスタートした。
「最初は10アイテムぐらいを用意して、華々しくスタートしました。インテリア・ライフスタイル業界での評判もかなり良かったです。もっとアイテムを広げたいと思っていたのですが、メーカーは、日本市場を見て製品開発をしてくれるわけではありません。
例えばコーヒーメーカーだと、4杯用が欲しいと依頼しても作ってもらえず、12杯用といった大きい物を自慢気に出してくる。これは大きすぎるから日本では売れないと言っても聞き入れてくれませんでした。日本市場だけブランドをライセンスしてもらう話もしたのですが叶わず、それで自分たちで製品を作ることにしたのです」(岡野氏)
最初に作ったのが、2杯分のコーヒーが淹れられる『カフェデュオ』という製品。最初はノーブランドでスタートし、09年にレコルトブランドを立ち上げてからは、レコルトの製品となった。
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