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持病のある社員が、職場のクラスターで重症化 会社の責任は?:社労士・井口克己の労務Q&A
テレワークの環境が整備できておらず、在宅勤務を希望する社員も出社させていました。そんな中、職場で感染者が数名発生。持病のある社員が重症化しました。会社の責任が問われるのでしょうか。
連載:社労士・井口克己の労務Q&A
労働法に詳しい株式会社Works Human Intelligenceの社労士・井口克己氏が、人事労務担当の素朴な疑問を解決します。
Q: ある社員(社員A)から、コロナ禍の状況を鑑み「持病があるので在宅勤務をしたい」と申し出がありました。しかし、テレワークの環境が整備できておらず、また多数の人と接するような業務ではないので出勤させていました。
そんななか、社員Aの勤務する職場から数名、新型コロナウイルスの陽性者が発生。社員Aも感染し、重症のため集中治療室で入院することになりました。
社員Aの家族からは「在宅勤務を希望していたのに、会社が対応しなかったから新型コロナに感染した。もし、このまま退院できなかったり、後遺症が残ったりしたら、責任を取ってほしい」と連絡がありました。
在宅勤務は実施しませんでしたが、職場ではしっかり感染対策を実施しており、2次感染が起こらないように迅速に対応しました。このような場合でも、会社の責任が問われるのでしょうか。
会社の責任の有無が決まる基準とは 社労士が解説
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