コロナで大苦戦した鳥貴族は“復活”できるか? カギを握る「トリキバーガー」の動向:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)
コロナの第5波がようやく収束し、通常営業する店が増えてきた。都市部に出店してきた鳥貴族はここから復活できるのか。新業態の「トリキバーガー」の現状と合わせてレポートする。
コロナに苦しめられた
鳥貴族の既存店売上高は19年11月〜20年2月に4カ月連続で前年同月比でプラスだった。17年10月に全品280円(税別)を298円(同)に値上げした影響で、一時期客離れに苦しんでいた。コロナ前は、この低迷期を抜け出して、これからさらなる飛躍が見込まれる状況だった。
もともと好調だったこともあり、GoToイートキャンペーンでは“無限鳥貴族”が注目された(数百円だけ注文をして1000円分のポイントを得るような行為。後に改善された)。こうした話題性もあり、コロナ前の勢いのまま、20年10月には既存店売上高を前年同月比93.1%にまで戻した。これは居酒屋業界で最高水準であり、ポストコロナで最も早く回復し、業界をけん引するのは鳥貴族だといった期待感が高まった。
ほぼ休業していた4月がゼロに近い同3.9%だったから、驚異的なV字回復だった。
しかし、その後、新型コロナの感染拡大が断続的に繰り返された。特に東京都や大阪府では、21年に入ってからは9月まで緊急事態またはまん防がほとんど途切れなく発出された。禁酒と時短の要請で、各居酒屋は仕事にならない状況が続いた。鳥貴族も例外ではなく、既存店売上高が21年9月に同8.8%に落ち込むなど、前年より3割以下の売り上げにとどまる月も目立ち、苦戦が続いてきた。
1都3県と大阪府が緊急事態解除後に行ったリバウンド防止措置を10月25日に解除して、飲食店が通常営業に戻れるようになった。そのため、鳥貴族にとっては、今まで自粛を強いられてきた生活者のリベンジ消費を喚起する絶好の機会となったはずだ。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - 鳥貴族、新業態「トリキバーガー」の店舗公開 社長が指示した「マクドナルド並みのスピード」
鳥貴族ホールディングスが新業態「トリキバーガー」をオープンする。店舗が報道陣に公開された。鳥貴族のDNAはどこに反映されているのか。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - 「100円×3個=301円」問題でセブンが公式に謝罪 見習うべきは「イオン方式」か
「税込100円×3個=301円」問題で混乱が起きたセブン。お客が困惑した根本原因は事前告知が不足していたことだ。ただ、イオンが採用する価格表記を採用する道もあったかもしれない。 - 新成人が「欲しい車」ランキング 3位はフォルクスワーゲン、2位はBMW、1位は?
ソニー損保が新成人のカーライフ意識調査を実施。普通自動車運転免許の保有率や欲しい車が明らかに。どんな傾向があるのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.