コロナで大苦戦した鳥貴族は“復活”できるか? カギを握る「トリキバーガー」の動向:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)
コロナの第5波がようやく収束し、通常営業する店が増えてきた。都市部に出店してきた鳥貴族はここから復活できるのか。新業態の「トリキバーガー」の現状と合わせてレポートする。
解除後の夜に渋谷を歩いてみた
10月25日、鳥貴族の店舗が9店舗も集中している渋谷界隈(かいわい)に繰り出してみると、月曜日ということもあったが、せいぜいコロナ前の7割くらいしか人通りが戻っていないように見受けられた。また、飲食ビルや雑居ビルに空き店舗が目立つ上に、改装中・休業中の店もちらほらとある。幾つかの店の店員に聞くと、それでも「先週くらいからお客が目立って増えた」という安堵の声を聞いた。
鳥貴族を含めて、アルバイトの確保、食材の調達などの諸事情で、夜は午後9〜10時までの時短を続けているケースも多い。盛り場にいる人が減っている理由は、テレワークが定着し、酒場に行かない生活スタイルが習慣化したからだけではない。酒場に行かないように社員に要請する企業が結構あるのも影響している。
同じ都内にある多摩地区のようなベッドタウンならば別だろう。しかし、都心部店に関しては、コロナ前にまで売り上げを戻すのに時間がかかり、今後も感染拡大が断続的に続くならば、最大で8割くらいまでしか戻らないことも想定しないといけない。
もちろん、鳥貴族の経営陣はそれを織り込み済みで、チキンバーガーの新業態「トリキバーガー」をもう1本の柱とするべく開発している。また、社員の独立を支援する住宅地向けの小型居酒屋「大倉家」を昨年6月、大阪市旭区にオープンするなど、郊外対策の新業態にも挑んでいる。
鳥貴族の出店エリアも、今後は従来の首都圏、関西、中京の3大都市圏に絞らず、全国の適地を検討していく方針で、海外も北米を起点に進出していくと表明している。
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