ヤフーが本気を出した「PayPayグルメ」 既存サービスの脅威となるか:どう差別化する?(2/3 ページ)
ヤフーが、キャッシュレス決済サービス「PayPay」ブランドを冠した新しい飲食店予約サービス「PayPayグルメ」を開始した。
早ければ年明けにもLINEと連携したサービスを開始
また、ZHD傘下のLINEとも連携し、利便性を高めるサービスを追加していく考えだ。現在は、飲食店側との連携を優先して進めているといい、早ければ年明けから連携したサービスを展開するとしている。
「LINEの公式アカウント上で、PayPayグルメの予約機能を無料で利用できるようにするといった開発を進めています。ヤフーの検索機能なども活用しつつ、加盟店がLINEの公式アカウントを使ってリピート客を増やせるような仕組みを順次作っていきたいと考えています」(西田氏)
また、店舗支援策として、電話操作でネット予約の受付・管理ができる機能を提供している。当日予約のダブルブッキングを防ぐ狙いがあるという。ユーザーがネット上で入力した予約情報を、店舗側は自動音声電話で確認し、受け入れ可否を判断するシステム。ユーザーへの返信は5分ほどで可能だといい、約半数の店舗が導入している。
予約サイトは通常、前日までの予約が主流となっている。しかし西田氏によると、土日は「今日の晩ごはんを食べに行く店」といった、当日中の予約比率が高い傾向にあるという。将来的には、LINEが提供する電話応対AIサービス「LINE AiCall」などの導入も検討し、より自然に操作できる環境を目指すとしている。
無断キャンセルの抑止支援としては、予約時に「PayPay」で事前決済ができる機能を提供する。経済産業省の発表によると、飲食店の無断キャンセルは予約全体の1%弱を占めるといわれ、国内の無断キャンセル被害額は推計年間2000億円にも上る。
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