富士山で12月に“日本一高地の花火大会” 冬開催で「新時代の花火大会を提案」:相次ぐ花火大会の中止が背景
花火業界を盛り上げようと、富士山を舞台にした花火大会「富士山花火2021」の開催すると、実行委員会が11月10日に発表した。同委員会は花火大会を冬に開催することで「新時代の花火大会、季節に縛られない花火大会の象徴にしたい」としている。
コロナ禍で花火大会の中止・延期が相次ぐ中、花火業界を盛り上げようと、富士山を舞台にした花火大会「富士山花火2021」の開催が決まった。実行委員会が11月10日に発表した。同委員会は夏のイメージが強い花火大会を冬に開催することで「新時代の花火大会、季節に縛られない花火大会の象徴にしたい」としている。ウィズコロナを念頭に、会場に自家用車で入り、鑑賞するプランも提供する。
花火の製作は、イケブン(静岡県藤枝市)が担当。内閣総理大臣賞や、「世界花火師競技大会」(2016年)で優勝し、世界一に輝いた実績を持つ国内屈指の花火企業だ。富士山の2合目に位置する「遊園地ぐりんぱ」(静岡県裾野市)を舞台に、12月18日、同社が製作した花火5000発を、国内トップクラスの花火師らが上空に打ち上げる。同社によると、湿度も低く煙の滞留がないことから「冬の澄んだ空気の中で行う花火大会のほうが、花火の光がきれいに見える」という。
会場にはソーシャルディスタンスに配慮した観客席4500席(全席有料)を用意し、遊園地内で鑑賞するプランと、自家用車でチェックインし、鑑賞する「ドライブインプラン」を提供する。チケットはローチケやイープラスなどで発売予定。料金などの詳細は「後日発表する」としている。
実行委員会「日本の花火業界衰退への危機感あった」
コロナ禍では各地の花火大会の中止・延期が相次いだ。実行委員会は「多くの花火師が窮地に立たされている。この状況が続けば、花火師の流出や花火企業の廃業から、日本の花火業界そのものの衰退につながる危機感があった」と企画の経緯を説明。コロナ禍によって観光事業が危機を迎える中、「日本のシンボルともいえる富士山と、日本が誇る伝統文化の花火という未来に継承すべき二つの重要な文化資源の魅力を発信していきたい」として同イベントの開催を決定したという。
同イベントは今後、富士山を囲む各市町村と連携し、毎年リレー形式での開催を目指す方針。次年度以降は富士山を囲む山梨・静岡の各市町村を巡る。実行委員会は「日本の伝統である花火文化を未来につなぎ、花火業界をさらに盛り上げていきたい」としている。
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