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実は日本で一番に売れている「メルセデス・ベンツ」 高級車の象徴はなぜ輸入車ナンバー1に至ったのか?鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(2/4 ページ)

今、日本で最も数多く売れている輸入車は何かといえば、それは「メルセデス・ベンツ」です。しかし、メルセデス・ベンツが日本で一番多く売れるブランドになったのは、ここ最近の話。かつてのメルセデス・ベンツは「高級車の象徴」であり、販売される数もそれほど多いものではありませんでした。

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「高級車の象徴」から路線変更

 ところが、そんなメルセデス・ベンツが、80年代中盤に路線を変更します。なんと、コンパクトカー・カテゴリーに進出してきたのです。その先駆けとなったのが85年に発売した「190シリーズ」です。今の日本でいえばトヨタの「カローラ」よりも少し大きいというサイズ感のクルマでした。さらに、86年に日本法人を設立しました。ちょうど日本はバブル景気と呼ばれる好景気時代に向かったこともあり、メルセデス・ベンツの日本での販売は一気に拡大。90年には3万8985台を記録します。80年の3887台から、10年で10倍もの伸長を見せたのです。


バブル時代に販売を一気に拡大させた「190シリーズ」(Wikipediaより)

 さらにメルセデス・ベンツの拡大路線は止まりません。93年に「190シリーズ」は「Cクラス」に発展。97年になると海外市場でSUVの「Mクラス」(現在のGLE)が登場。98年には、FFプラットフォームのコンパクトカー「Aクラス」まで誕生します。80年代までは中型と大型セダンだけのメーカーであったメルセデス・ベンツですが、90年になると、小さなFFモデルとSUVにまでラインアップを拡大してゆくのです。

 その後、メルセデス・ベンツは、2000年代になると「Bクラス」や「GLクラス」(現在のGLS)など、FFモデルやSUVのラインアップを拡大。そうした動きは10年代を通し、現在まで継続します。

 その結果、現在のメルセデス・ベンツは、「Aクラス」「Bクラス」「CLAクラス」「Cクラス」「Eクラス」「CLSクラス」「Sクラス」「GLAクラス」「GLBクラス」「GLCクラス」「GLEクラス」「GLSクラス」「Gクラス」「GTクラス」「Vクラス」といった豊富なラインアップを揃えるに至りました。

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