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実は日本で一番に売れている「メルセデス・ベンツ」 高級車の象徴はなぜ輸入車ナンバー1に至ったのか?:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(3/4 ページ)
今、日本で最も数多く売れている輸入車は何かといえば、それは「メルセデス・ベンツ」です。しかし、メルセデス・ベンツが日本で一番多く売れるブランドになったのは、ここ最近の話。かつてのメルセデス・ベンツは「高級車の象徴」であり、販売される数もそれほど多いものではありませんでした。
日本発の「クルマを売らないディーラー」
また、メルセデス・ベンツは別角度の努力も行っていました。それが「敷居の高さ」の克服です。なんといってもメルセデス・ベンツは「高級車の代表格」ですから、一見さんがふらりとメルセデス・ベンツの販売店に足を踏み入れることは正直、難しいもの。どんなに称賛されていても、販売店に近寄りづらい雰囲気があっては、クルマを数多く売ることは難しいものです。
そこでメルセデス・ベンツ日本は考えました。「クルマを売らないディーラー」=「メルセデス・ベンツ・コネクション(現・メルセデスme)」というブランド発信拠点を11年に東京・六本木に開設したのです。
六本木の交差点からも遠くなく、人通りの多いところにできた拠点には、カフェが併設されており、クルマに興味のない人もウエルカム! としました。もちろん、そこにはメルセデス・ベンツのクルマも置いてあり、見て触れます。クルマに興味があるけれど、すぐに買うわけではないという人は大喜び。メルセデス・ベンツの思惑は大当たりしたのです。その後、メルセデス・ベンツ日本は、同様の拠点を大阪と羽田空港に設置。さらに、当初は懐疑的であったドイツ本国のメルセデス・ベンツも、クルマを売らないブランド発信拠点の効果を認め、現在は世界40店舗の規模の展開をすることになったのです。
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