スシロー、イクラ1皿「100円」→「150円」の衝撃 価格高騰にどう立ち向かうのか:世界的な需要増(1/3 ページ)
スシローがイクラを1皿税別100円から150円に値上げした。漁獲高減少や世界的な需要増が原因だ。世界的な価格高騰に大手回転寿司チェーンはどう立ち向かうのか。
「息子はいつもイクラばっかり食べているから、値段を見てびっくりした」
こう話すのは都内在住のある母親だ。大手回転寿司チェーン「スシロー」は、10月27日にイクラを1皿100円(税込110円)から150円(同165円)に値上げした。なお、東京都などにある都市型店舗では120円(同132円)から170円(同187円)の価格改定となる。
値上げの背景について広報担当者は、「近年の漁獲高減少や世界的な需要増」を挙げる。スシローにおける寿司の人気ランキング(販売皿数)で、イクラは4位に位置する(2019年10月〜20年9月)。
回転寿司チェーンの主要顧客はファミリー層であり、特にイクラは子どもに人気だ。値上げで、売れ行きに影響はなかったのだろうか。スシローを運営するあきんどスシローの堀江陽社長は、「想定してたより落ちていない」と説明する(11月10日時点)。人気商品なので、値上がりしてでも食べたいお客が多かったようだ。また、堀江社長は、「おいしいと感じられるサイズや量で提供するのが基本だ」と語る。今回の場合、イクラの量を減らしてまで価格を100円に維持する考えはなかったようだ。スシローは4年ほど前にもタイを値上げしているが、その際にも「ペラペラ(の薄さ)にするのではなく、おいしさを重視した」(堀江社長)。
価格高騰が戦略に影響を与えた事例は他にもある。スシローは、11月10日に「かにフェア」をスタートした。通常は1シーズン2回行ってきたが、カニの仕入れ価格が高騰したため、今シーズンは1回だけとなった。一方、くら寿司は11月3日に「感激かにフェア」をスタートしたが、独自のルートで仕入れることができたため、「例年並みの規模を維持できた」(広報担当者)という。
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