男性の約半数「女性よりも生きづらい」 男らしさに関する調査、専門家の見解は?:電通総研調べ(1/2 ページ)
電通グループの社内組織である電通総研が「男らしさに関する意識調査」を実施した。
電通グループの社内組織である電通総研が「男らしさに関する意識調査」を実施した。その結果、全世代の男性の約半数が「最近は男性のほうが女性よりも生きづらくなってきている」と感じていることが分かった。
この調査は、ジェンダー平等の実現に向けて男性を対象に世界各地で活動を行うNGO「PROMUNDO(プロムンド)」が2016年に実施した「The Man Box(マン・ボックス)」調査と同じ質問票を日本語訳したものに加え、日本独自の質問を追加した約30問で構成。
「男性は一家の大黒柱であるべきだ」というような男らしさの箱の中にとらわれた「マン・ボックスの中にいる男性(IN)」と、男らしさの箱から出てジェンダー平等的な考え方をもつ「マン・ボックスの外にいる男性(OUT)」で、意識や行動にどのような違いがあるか分析を行った。
「男性の方が女性よりも生きづらい」全ての年代で半数が回答
「最近は男性の方が女性よりも生きづらくなってきていると思う」という意見に「とてもそう思う」または「そう思う」と答えた人の割合は、18〜30歳で50.9%、31〜50歳で51.3%、51〜70歳で51.9%と全ての年代でほぼ半数となった。なお、「全くそう思わない」と答えた人の割合は、18〜30歳が17.0%、31〜50歳が13.8%、51〜70歳が8.1%と、年齢が上がるほど低くなった。
女性活躍を推進するような施策を支持するかを問う項目には、「とてもそう思う」または「そう思う」と答えた人の割合は、全ての年代で過半数を占めた。年代別に見ると、51〜70歳が78.8%と最も高く、18〜30歳は62.8%、31〜50歳は61.6%だった。
また、「フェミニストが嫌いだ」という問いに「とてもそう思う」「そう思う」と答えた人の割合は、18〜30歳が42.8%と最も高く、31〜50歳は39.1%、51〜70歳は31.7%と、年齢が上がるほど低くなった。
女性支援やフェミニストを否定する割合は、若い世代ほど高い傾向にあった。この結果について、関西大学の多賀太教授は「この傾向は韓国など海外でも見られる」とした上で、「すでに男性優位社会の恩恵を受けて年長になった男性に比べ、将来の見通しが立ちにくい若い男性の方が、女性支援を男性の疎外と受け止めやすいのではないか。とはいえ、世代を問わず男性の多数派は女性支援策を支持している」と分析する。
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