15万台突破のライト一体型プロジェクター! 新製品「据え置き型」の狙いは?:開発の背景(3/5 ページ)
天井に取り付けるシーリングライトに、プロジェクターとスピーカーを搭載した「popIn Aladdin(ポップイン アラジン)」シリーズが、コロナ禍でヒットしている。同製品を開発したのは、東大発ベンチャーとして、2008年に誕生したpopIn。商品開発の背景などを中国出身の程 涛(テイ・トウ)社長に聞いた。
低価格で販売し、コンテンツ課金を狙う戦略
発売価格は「ポップイン アラジン 2」が9万9800円、「ポップイン アラジン SE」が7万4800円、「アラジン ベース」が6万9800円(いずれも送料込み)。発売中の2製品は、一般企業の通販サイトで2万円ほど安く販売されている。
プロジェクターの価格帯はピンキリで、1万円を切る安価な製品から10万円以上の高スペックの製品までさまざま。1万円前後でも、そこそこのスペックの製品が手に入る。そう考えると「ポップイン アラジン」は決して手頃な価格とはいえないが、程氏いわく「短焦点レンズを使用している製品では、価格設定が安い」とのこと。
短焦点レンズを採用したプロジェクターに絞って調べてみると、多くは10万円前後の価格帯だ。高いものだと20万円、30万円を超えるものも。確かに、ライト一体型と考えれば高くはないのかもしれない。価格設定を抑えられる理由は、同社のビジネスモデルにあった。
「当社は、『サイト内検索機能』をはじめとしたソフトウェアから事業をスタートしています。そもそもハードウェアだけで利益を得ようと考えておらず、薄利を承知のうえで台数を売り、それらに搭載したコンテンツの課金を利益につなげたいという狙いがあります」
上述した通り、「ポップイン アラジン」には同社が開発した教育系アプリが多数搭載されており、課金につながるケースがあるのかもしれない。「今後も購入後のマーケットポイントを増やしたい」と程氏は話しており、ハードウェアの販売に特化しているメーカーとは戦略が異なるようだ。
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