15万台突破のライト一体型プロジェクター! 新製品「据え置き型」の狙いは?:開発の背景(4/5 ページ)
天井に取り付けるシーリングライトに、プロジェクターとスピーカーを搭載した「popIn Aladdin(ポップイン アラジン)」シリーズが、コロナ禍でヒットしている。同製品を開発したのは、東大発ベンチャーとして、2008年に誕生したpopIn。商品開発の背景などを中国出身の程 涛(テイ・トウ)社長に聞いた。
クラファンで上半期1位を獲得し、人気が加速
ハードウェアメーカーとしては無名のところから、累計15万台を販売できた背景には、クラウドファンディングを通じたマーケティングの成功がある。17年にキックスターターにて、初めてのクラウドファンディングを実施したところ、「シーリングライト一体型」というコンセプトが受け入れられ、1700万円ほどの支援が集まった。
この結果に手応えを得た同社は、要望が多かった各種動画サービスとの連携を実現し、18年にマクアケを通じて再び支援を募った。すると約7000万円の支援金が集まり、マクアケのランキングで上半期1位を獲得した。
「この反響を受けて、テレビや雑誌などメディアの取材依頼が多くありました。世界初のシーリングライト一体型というユニークさが、大きな引きになったのだと思います。20年9月から楽天やアマゾンといった大手通販サイトと家電量販店にも販路を広げたことで、初代モデルは約4万台を販売しました」
さらに、進化モデル「ポップイン アラジン 2」の発売が1回目の緊急事態宣言の発令タイミングと重なり、巣ごもり需要が急増したことで、1日3000台ペースで売れるように。当時の売上記録は過去最高で、20年末には日経トレンディと日経クロストレンドが発表した「2020年ヒット商品ベスト30」で15位にランクイン。さらなるメディア露出、販売増につながった。
「8割の方がオンラインで購入しており、購入者層は66%が既婚者、50%が子どもがいる世帯です。年齢層でいうと、20代が17%、30代が40%、40代が30%。利用シーンとしては、50%のユーザーがポップイン アラジン経由でテレビ番組を視聴し、20%が毎日利用しています」
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