15万台突破のライト一体型プロジェクター! 新製品「据え置き型」の狙いは?:開発の背景(5/5 ページ)
天井に取り付けるシーリングライトに、プロジェクターとスピーカーを搭載した「popIn Aladdin(ポップイン アラジン)」シリーズが、コロナ禍でヒットしている。同製品を開発したのは、東大発ベンチャーとして、2008年に誕生したpopIn。商品開発の背景などを中国出身の程 涛(テイ・トウ)社長に聞いた。
据え置き型の新製品を開発した狙い
18年の発売依頼、「シーリングライト一体型」の特徴を打ち出してきたポップインだが、21年9月に新製品となる据え置き型のプロジェクター「アラジン ベース」を発表。同製品は名前のとおり花瓶のようなフォルムで、置型のライトとしても使用できる。
搭載されたスマートライトには、音楽に合わせて光を演出するサウンドモードや入眠効果を促すスリープモードなど5つのモードが備わる。プロジェクターの機能は、「ポップイン アラジン 2」と「ポップイン アラジン SE」よりも劣り、画質はHD、最大の明るさは200ルーメンとなる。そのぶん、発売中の2製品より安価だ。
「邪魔にならないプロジェクター」でユーザーの支持を得てきた同社が、なぜライバルの多い据え置き型の市場に参入したのだろうか。
「幅広い層の方に、さまざまな生活シーンで利用してほしいとの思いから、アラジン ベースを開発しました。近年は、天井に引掛シーリングがない住宅も増えていますし、自宅以外の場所で使いたいという需要もある。また、天井から吊るすタイプは気軽に店頭で試しづらい。そういった方々の声を反映した製品です」
こだわったのは、機能性よりもデザイン性。「存在自体を喜びに変える」をコンセプトとして、使用するときも、使用しないときも美しいたたずまいでインテリアとなるようなデザイン目指した。ペットボトルと同サイズの大きさながら、最大100インチを実現するという。これまでは子どもがいる世帯をターゲットとしてきたが、「アラジン ベース」のメインターゲットはインテリアにこだわりを持つ女性だ。
「これまではオンライン販売がメインでしたが、新製品は店頭販売を強化するつもりです。据え置きタイプで気軽に店頭で試すことができるので、購入前に実物を見て試したいという需要に応えやすいためです。また、インテリア媒体の取材獲得やインテリアを得意とするインフルエンサーを活用したマーケティングにも注力しています」
現状、1000台の事前予約が完売、追加の1000台の予約を受け付けている。まずは、「22年3月までに1万台を達成したい」と程氏は意気込みを見せた。ポップインの事業は、ニュース記事などのレコメンドサービス、ECサイトのレコメンドサービス、そしてライト一体型のプロジェクターの3つが柱となっている。しかし、程氏はほとんどの時間と労力をハードウェア事業につぎ込んでいるそうだ。
「プロジェクターの事業を始めて、ハードウェアの可能性を大いに感じています。自宅時間の充実をテーマに、プロジェクターの進化モデルや付属製品はもちろん、それ以外の製品にもチャレンジしたいですね」
写真提供:ポップイン
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