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なぜOfficial髭男dismとあいみょんはランクインしないのかSpotifyのランキングから見る、日本アニメの海外人気(1/3 ページ)

Spotifyが発表した「過去5年間に海外で最も再生された日本のアーティストの楽曲」をみると、国内外のランキングで共通してランクインしているのはYOASOBIの「夜に駆ける」のみ。その要因は何なのか。

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ニッセイ基礎研究所

本記事は、ニッセイ基礎研究所「Spotifyのランキングから見る日本アニメの海外人気−なぜOfficial髭男dismとあいみょんはランクインしないのか」(2021年11月12日掲載、著者:生活研究部 研究員 廣瀬涼)を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集の上、転載したものです。※廣瀬氏の「瀬」は正しくは「頁」ではなく「刀に貝」。


要旨

 音楽ストリーミングサービスであるSpotifyは、2008年にスウェーデンでサービスを開始し、現在(2021年11月)は、世界で3億8100万人以上のユーザーが利用している。日本においても2021年9月にサービスを開始してから5年という節目を迎えた。この節目に際し、Spotifyは「過去5年間に国内で最も再生された楽曲」や「100万再生を突破した国や地域の数が多い日本のアーティスト」など5年間を振り返るランキングを発表した。

 「過去5年間に国内で最も再生された楽曲」ランキングをみると、そのほとんどがマスメディアを賑わせ、連日耳にしたわれわれにとって耳なじみのある曲であった。一方で「過去5年間に海外で最も再生された日本のアーティストの楽曲」ランキングをみると、国内外のランキングで共通してランクインしているのはYOASOBIの「夜に駆ける」のみである。

 一方で国内ランキングにおいて、複数曲をランクインさせたOfficial髭男dismやあいみょんは1曲もランクインしておらず、2008年にリリースされた いきものがかりや、2014年にリリースされたKANA-BOONの楽曲がランクインしている。日本と海外のランキングにおいて、これほどの違いが現れた要因はどこにあったのだろうか。

1――過去5年間に海外で最も再生された日本のアーティストの楽曲

 音楽ストリーミングサービスであるSpotifyは、2008年にスウェーデンでサービスを開始し、現在(2021年11月)は、世界で3億8100万人以上のユーザーが利用している。日本においても2021年9月にサービスを開始してから5年という節目を迎えた。この節目に際し、Spotifyは「過去5年間に国内で最も再生された楽曲」や「100万再生を突破した国や地域の数が多い日本のアーティスト」など5年間を振り返るランキングを発表した(※1)。

 それらのランキングの中で、筆者の目を引いたのは「過去5年間に海外で最も再生された日本のアーティストの楽曲」である。まずは「過去5年間に国内で最も再生された楽曲」を見てもらいたい(表1)。ここには、国内で最も再生された楽曲のそのほとんどどがマスメディアを賑わせ、連日耳にしたわれわれにとって耳なじみのある曲がランクインしている。

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表1 過去5年間に国内で最も再生された楽曲
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表2 過去5年間に海外で最も再生された日本のアーティストの楽曲

 次に、表2の「過去5年間に海外で最も再生された日本のアーティストの楽曲」をみてもらいたい。国内外のランキングで共通してランクインしているのはYOASOBIの「夜に駆ける」のみである。一方で国内ランキングにおいて、複数曲をランクインさせたOfficial髭男dismやあいみょんは1曲もランクインしておらず、2008年にリリースされた いきものがかりや、2014年にリリースされたKANA-BOONの楽曲がランクインしている。日本と海外のランキングにおいて、これほどの違いが現れた要因はどこにあったのだろうか。

(※1)Rolling Stone Japan 編集部 「Spotify日本上陸5周年で各種ランキング発表」(2021/11/10)

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