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たった1時間で設計ができる? 「家づくりアプリ」がいろいろスゴいゲーム感覚で設計(4/5 ページ)

納期を劇的に短縮できる次世代の家づくりサービス「Nesting(ネスティング)」が22年春にローンチ予定だ。手掛けるのは建築テック系スタートアップ「VUILD(ヴィルド)」と共創型戦略デザインファームのBIOTOPE(ビオトープ)。ヴィルドの秋吉浩気CEOに「ネスティング」の構想を聞いた。

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1つの土地に5世帯で家を建てる実験的な取り組みも


若手社員を中心に構成されているヴィルド(写真左手前が秋吉氏)

 ネスティングでは、マイホームの設計、材料調達、施工にとどまらず、不動産や金融の領域までカバーする構想がある。不動産の調達は、日本の各地域のコミュニティーホストが提供する敷地の中から、風景やコミュニティーなども参考に好みの土地を選べる。金融システムは、通常の現金購入や住宅ローンを組む以外に、1つの家を共同購入する仕組みを取り入れたいと秋吉氏は語る。

 「通常、不動産、設計、流通、施工、金融は、すべて異なる企業が担当します。それを一気通貫させてしまおうという、すさまじいDXを想定しています。金融領域をカバーするのは、住宅を自分で所有するだけでなく、収益化を含めた価値を生み出せるものにしたいから。住宅を一緒につくる、コミュニティーを一緒に育てるなどの体験を価値として提供できればと思っています」


秋田県で進行中の5世帯が共同で住まいをつくるプロジェクトの施工イメージ

 この共同購入の実験として、5世帯が集い1つの土地に共同で住まいをつくるプロジェクトが秋田県で進行中だ。寝室やキッチンといった部屋は世帯ごとに独立しているが、屋根のみつながっており、1つの建物としてみなされる。このような住宅は「コレクティブ・ヴィレッジ」と呼ばれるそうだ。

 5世帯それぞれが資金を捻出するが、一般的な住宅ローンとは異なる、まったく新しい方法で家を所有することになるという。

 「住宅ローンは非常に制約が厳しく、一度契約すると手放しづらい欠点があります。また、木造住宅の耐用年数は22年で、その月日が経過すると資産価値がゼロになる。まだシステム開発中の段階で詳細をお伝えできないのですが、木造戸建てのデメリットを払拭(ふっしょく)できるような金融システムを提供する予定です」

 ヴィルドでは、21年5月にネスティングの構想の発表と同時に、先行ユーザーの募集を開始。すると、想定の5〜6倍の応募があったとか。

 「期待よりも良い反応でした。ただ、狙っていた層とややズレているなという感じも。建築プロセスやライフスタイルのイノベーションに魅力を感じる層に届けたいのですが、『早くて安い』といった点に魅力を感じる人が半分ほどいました。最終的にローコストで提供できるとは思いますが、それはまだ先の話。まずは、革新的な建築という点に共感してくれるユーザーを狙っています」

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