ニュース
有名スーパーが“まさか”の勘違い 想定外だった利用客と、致命的な戦略ミス:客層分析をどうする(1/4 ページ)
「どんなお客さんが店舗を利用しているのか」をしっかり把握していないことがある。ある有名な総合スーパーは「ファミリー客がターゲット」だと思っていた。しかし、調査をしてみると……。
誰もが知っているような有名小売りチェーンでも、「どんなお客さんが店舗を利用しているのか」をしっかり把握していないケースが散見されます。今回は、そんな話をしたいと思います。
10年前、GMS(総合スーパー)を運営するある企業は、「自社のメインターゲットはファミリー層だ」ということに何の疑いも持っていませんでした。アパレルから食品、家具に至るまで30代ファミリー層向けの商品開発を行い、売り場の大部分を占めていました。しかし、アパレル部門の売り上げが振るわなかったため、その問題は商品力にあると分析。さまざまな新商品を投入しては古い在庫をセールで減らし、売り場の変化スピードを保つことに注力していました。
しかし、根本的な問題は他にありました。全店舗同じファミリーターゲットという設定が間違っていたのです。しかも、既存の来店客にシニアが圧倒的に多い店舗が何店舗も存在していたのです。
大量生産大量消費、全店同一のチェーンストアオペレーションの終焉(しゅうえん)は今に始まったことではなく、10年も前から顕在化していたのです。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - 「100円×3個=301円」問題でセブンが公式に謝罪 見習うべきは「イオン方式」か
「税込100円×3個=301円」問題で混乱が起きたセブン。お客が困惑した根本原因は事前告知が不足していたことだ。ただ、イオンが採用する価格表記を採用する道もあったかもしれない。 - スーパーの「アピタ」と「ピアゴ」がどんどん“ドンキ化” 一方で住民から不安の声も
スーパーの「アピタ」と「ピアゴ」が“ドンキ化”している。運営会社は2022年をめどに、約100店舗を業態転換する方針だ。その一方で、生まれ変わる予定のアピタ岐阜店の周辺住民からは不安の声が出ている。 - コストコと並ぶロードサイドの“雄” 知る人ぞ知る鮮魚チェーン「角上魚類」が急成長している理由
関東を中心に22店を展開する鮮魚専門店の「角上魚類」。コロナ禍でも業績が伸び続け、1日に1万人もの顧客が訪れる店舗もある。強さの秘密を創業者に聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.