「両利きのリスキリング」、総務が目指すべき2つの方向とは:「総務」から会社を変える(1/3 ページ)
耳にすることも増えた「リスキリング」。キャリアアップのため、転職のため、そして終生働き続けるために求められる、このリスキリングだが、こと総務においてはどのように考えるべきなのだろうか。
「リスキリング」、この言葉をよく見かけるようになった。
その意味は、直訳すれば「新たにスキルを身につけること」。キャリアアップのため、転職するためには、自らの武器を常にアップデートし続けないとうまくいかない。人工知能が人間を超える「シンギュラリティ」が到来するとされている2045年には、いやそれより前に、今多くの人が携わっている仕事が、なくなってしまう、そうしたことも十分あり得る。
そもそも「人生100年」といわれる時代の中、60歳定年などというのは夢物語であり、恐らく多くの人が70歳、いや今後は80歳までは働かないと生きていけないような状況になることも、可能性としては考えられる。新たなスキルを身につけておかないと、食うに困る、という時代となっているのだ。
では、どのようなスキルを身につければよいのだろうか。ちまたでは、AIスキルを身につけることが流行しているようだ。むろん、今の仕事の延長線でAIのスキルが必要であるならよいのだが、全く違う畑に飛び込んでいくようにAIのスキルを学ぼうとしても、使える状態で身につくのだろうか、疑問符がつく。
確かに、今携わっている仕事がテクノロジーに取って代わられてしまうのであれば、畑を変えていかなければならないだろうが、今の仕事を進化させていければ、まだまだ世界が広がっていくのであれば、むやみやたらと畑を変える必要もないと個人的に思うのである。
リスキリングを「両利き」で考える
数年前、『両利きの経営』という書籍がベストセラーになった。企業は、既存事業の深化とともに、新たな事業を開発する、この2つが重要である、という内容である。リスキリングにおいても、この2つの挑戦、つまり「今の仕事の延長線でそのスキルを深化していくリスキリング」と、「新たなスキルを身につける、畑を変えるリスキリング」が必要となるのではないか。
ここからは、筆者の畑である、総務という職種に当てはめて考えてみよう。
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