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「前任者がやらかしたことを検証してはいけない」 なぜ日本の会社でタブーなのか:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
「前任者がやったことを細かく検証してはいけない」――。多くの日本企業でこのような慣習があるが、なぜ責任の所在をうやむやにするのだろうか。背景を探っていくと……。
新型コロナが流行していたとき、「日本では国民を2カ月待たせて布マスク2枚配ったらしいぞ、やっぱスゲーな、あいつら」と世界中をホッコリさせるニュースを提供した、あのアベノマスクが「不良債権」になっている。
報道によれば、約260億円の税金を投入したアベノマスクの在庫は現在8000万枚。日本郵便から佐川急便など倉庫をたらい回しにされ、保管コストは6億円以上かかっており、売却か譲渡しなければこの「ムダ」はさらに膨れ上がっていく、と会計検査院も問題視しているという。
「ほらみろ、当初から税金の無駄遣いだと言われていたじゃないか! アベノミクスも含めて安倍政権の政策が正しかったかしっかりと検証しろ!」という怒りの声があがるだろうが、残念ながらアベノマスクやアベノミクスに対してしっかりとした効果検証がされることは未来永劫(えいごう)ないだろう。
実際、菅政権時にマスコミや野党がアベノマスクの効果検証を求めたが、田村憲久厚労相(当時)は「一定の効果があった」の一点張りで、「数字」を示すことは困難とした。どれだけの人間がこの布マスクを利用して、不足していた不織布マスクの代わりになったかなどの試算くらいは可能なはずだが、頑なに拒否をしている。
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