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「仕事が楽しい」の“楽しい”とは何か 「楽しい仕事」とはどんな仕事なのか:「快」と「泰」のキャリア考(3/6 ページ)
ひとくちに「仕事が楽しい」と言っても、それが「情」寄りで楽しいのか、「意」寄りで楽しいのか性質の違いがあります。生産年齢者として50年、人間として100年生きるとき、この「情」ベースから「意」ベースへ、「快」の追求から「泰」の志向へのマインド・シフトともいうべき意識転換が重要ではないでしょうか。
[講義スライド4]
「情的な楽しい」を求めることがベースになっている人は、刺激的な喜びを好む傾向が強い人です。ある刺激のもとではウキウキ、ワクワクとなりますが、別の刺激を受けると今度は意気消沈してしまうといった気持ち変動の大きい生活になります。このことは承認欲求の強さや、他者との比較や競争への関心の強さとも関係しています。
さらに言えばこうした傾向性は、成功者をひたすら目指す「成功のキャリア」や、逆に成功者路線をあきらめ、小さな「快」の殻に閉じこもる「自己防衛のキャリア」につながってきます。
他方、「意的な楽しい」を求めることがベースになっている人は、建設的な喜びを好む傾向が強い人です。自分のやり遂げたい意味・貢献に意識が向いていて、他者との比較や競争をあまり気にしません。自分に克つか、妥協するかを問います。
こうした傾向性は、みずからの存在を十全に開いていくことを喜びとする「健やかさのキャリア」につながってきます。
このように、ひとくちに「仕事が楽しい」と言っても、それが「情」寄りで楽しいのか、「意」寄りで楽しいのか性質の違いがあります。
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