「勉強ばかりしてないで、ゲームしなさい」――四国新聞の広告に反響 背景に香川県の“ゲーム条例”、広告の真意は?(1/2 ページ)
四国新聞の12月20日付の朝刊に掲載された「勉強ばかりしてないで、ゲームしなさい」とする広告がTwitterを中心に話題となっている。広告の出稿元の企業は「ゲームが障害ではなく、教育としての魅力があることを伝えたい」としている。
「勉強ばかりしてないで、ゲームしなさい」――香川県を中心に購読者を持つ地方紙「四国新聞」の12月20日付の朝刊に掲載された広告がTwitterを中心に話題となっている。子どものスマートフォンやゲームの利用時間を制限するとした香川県独自の条例を念頭に、広告の出稿元の企業は「ゲームが障害ではなく、教育としての魅力があることを伝えたい」としている。
広告の出稿元はゲームを使った教育事業を手掛けるゲムトレ(東京都渋谷区)。主力事業の「ゲムトレ」では、ゲームを「楽しく脳を鍛える習い事」と捉え、子ども向けのゲームのオンライン講座を提供している。同社によると、例えばオンラインゲームの「FORTNITE」(フォートナイト)では、さまざまな武器やキャラが登場する上、瞬時の判断が必要になることから、認知力や情報処理能力が向上するという。
同社は広告で、夏目漱石が東京帝国大学(現在の東京大学)を卒業後、当時、低俗と見られていた小説家としてデビューし、代表作『吾輩は猫である』などで日本を代表する文化人になったことに触れ「ゲームの捉え方も変わりはじめた」と指摘。ゲームのプレイを通じて、試行錯誤を繰り返したり、仮想空間上で世界中のユーザーと達成感を分かち合ったりできることから「ゲームは人生を豊かにする力がある」と主張している。
背景に香川県の「ゲーム条例」
同社がこうした広告を出した背景には、香川県独自の条例の存在がある。同県は2020年4月、家庭内でのゲームの利用時間を制限する全国初の条例として「ネット・ゲーム依存症対策条例」(ゲーム条例)を施行。同条例に罰則規定はないものの、18歳未満のゲーム時間は平日では1日60分、休日は90分、スマホの利用は中学生以下なら午後9時まで、それ以上は午後10時までという目安を設け、各家庭で決めたルールを守らせるよう保護者が努めなければならないと規定している。
条例に対しては、スマホ依存の軽減などへの期待から賛成の声がある一方で、「ゲーム=悪」との誤った認識を広めかねないなどとして、批判の声も出ている。また、香川県弁護士会は「条例は制定の根拠が十分ではない」「憲法や『子どもの権利条約』にも反する部分がある」として条例の廃止を求める声明を出している他、県内の大学生が「憲法違反」として、県を相手に損害賠償を求めて提訴している。
関連記事
- 学歴フィルター? 「大東亜以下」マイナビのメールが物議 運営元は「事実関係を確認中」
マイナビから来たメールに、「大東亜以下」という“学歴フィルター”がかかっていたとするツイートが物議を呼んでいる。マイナビ側からの回答がないため、詳細は確認中だが、該当ツイートは1万リツイートを記録している。 - 学歴フィルター“疑惑”のメール誤送信、マイナビが「学歴による選別」を否定 「大東亜以下➈」の意味も明らかに
就職支援サービス「マイナビ」の運営事務局が、学歴フィルター“疑惑”のメールを就職活動中の学生に送信していた問題で、運営元のマイナビが12月7日、「不要な誤解を与えた」として謝罪した。 - JINS田中社長、バルミューダ株でインサイダー取引“疑惑” 専門家「立件されてもおかしくない」と苦言
JINS田中社長のバルミューダ株を巡るインサイダー取引“疑惑”に関し、金融商品取引法と会社法の専門家に見解を聞いた。 - 「例の広告で株主から激詰め」――品川駅の“炎上広告”への質疑に反響 NewsPicks運営ユーザベースの回答は?
経済ニュースメディア「NewsPicks」(ニューズピックス)などを運営するユーザベースが11月4日に発表した2021年第3四半期決算(2021年1月〜21年9月)の説明会での質疑応答の内容がTwitterで注目を集めている。 - 「ネットワークビジネス関連の方の入店はお控えください」――エクセルシオールカフェの掲示物に反響 理由は「お客さま同士のトラブル回避のため」
エクセルシオールカフェの店舗内に掲示された「ネットワークビジネス関連の方へ 入店はお控え頂きますようお願い致します」という掲示物がTwitterで注目を集めている。同カフェを展開するドトールコーヒーは「お客さま同士のトラブル回避のため」と説明した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.