ファーストキッチンの「顔認証決済システム」 派手メークでも「本人」と認証できるのか?:記者が試してみた(1/2 ページ)
ファーストキッチンは都内3店舗にて、顔認証決済システムを導入した。2月28日までは実証実験の期間とする。顔認証の精度はどこまで高いのか? 派手メークでも「同一人物」と認証されるか、試してみたところ……
ファーストキッチンは都内3店舗にて、顔認証決済システムを導入した。同社によると、ファストフード業界で初めての試みだという。導入店舗は、ウェンディーズ・ファーストキッチン赤坂見附店、渋谷センター街店およびファーストキッチン自由が丘店で、2月28日まで実証実験を実施する予定だ。
導入の狙いは、「人手不足の解消」と「来店客の利便性向上」だという。確かに、財布もスマートフォンも出さなくていいとしたら、決済時の負担軽減や時間短縮につながりそうだ。実際にファーストキッチンに導入されたシステムを利用する米国のレストランでは、注文時間が5分から30秒に短縮されたという。ファーストキッチンの紫関修社長は「15秒ほどの短縮が見込める」とコメントした。
そこで気になるのが、顔認証の”精度”だ。認証時間の短さは客の利便性向上に直結するポイントになりうる。髪型や髪色、メークに眼鏡などの違いがあっても正しく「本人」だと認証して、スムーズに注文できるのだろうか。
派手メークでシステムをだませるか?
顔認証決済の利用手順はこうだ。客は事前に専用Webサイトから顔写真、氏名、電話番号とクレジットカード情報を登録する。後は、店舗の専用機器から注文をしてカメラに顔を向けるだけで決済が完了する仕組みだ。
筆者は、顔写真を登録する際に”ギャルメーク”で挑んでみた。付けまつ毛に濃いアイシャドウで目元を大きく、シェーディングとハイライトで顔を小さく立体的に見せ、紫がかった赤の口紅を塗り、髪の毛を束ねて撮影した。
一方、取材当日のメークは単色のアイシャドウで、まつ毛にはマスカラすら塗らなかった。シェーディングとハイライトも一切使わず、口紅は肌の色に近いものを選び、髪の毛はおろして、眼鏡も装着した。
入店し、決済システムの前に顔を近づけてみた。マスクは外したものの、無事に「本人」と認証されて、注文画面へ移行した。顔認証登録ユーザー限定の高割引率クーポンが自動適用され、わざわざ専用アプリからクーポンを探したり、財布を出したりすることもなく、注文が完了。もう一度カメラに顔を近づけたら2秒ほどで支払い済のサインが表示された。
メークだけでなく、眼鏡などのアイテムも活用し、それなりに印象を変えたつもりだったが、あっさり見破られてしまった。どういう仕組みなのだろうか?
関連記事
- ランドセルが、約90%軽くなる「棒」とは? 購入予約数は約2000本に
ランドセルの重量化が腰痛や肩こりなどを引き起こす「ランドセル症候群」が小学生の間で広がっているという。そんな状況を改善すべく、大学生と小学生が協力して、ランドセルを約90%軽くする「棒」を開発した。棒でどうやってランドセルが軽くなるのかというと…… - 551創業者の孫、東京・恵比寿で「豚まん専門店」をオープン 本家は「ネットニュースで知った」
関西のソウルフード「551 蓬莱」を運営する蓬莱の創業者の孫が東京・恵比寿で「豚まん専門店」をオープンする。11月25日から。「東京で551が食べられる!」と話題になったが、本家は出店について「何も聞かされていない」という。どういう状況なのか? - 渋谷の一等地で、コーヒー1杯99円 なぜこのビジネスが成り立つのか?
「安いのは嬉しいけど、安すぎるとちょっと不安」という心理に陥ったことはあるだろうか?渋谷の地下街で「コーヒー1杯99円」というカフェの看板を見たときにそう思った。なぜこのビジネスが成り立つのだろうか?運営会社に話を聞いたところ…… - 「昆虫食の自販機」が全国的にじわじわ増えているワケ
全国的に「昆虫食自販機」がじわじわ増えているらしい。「高たんぱく」「食糧危機を救う」などの文脈でメディアに取り上げられているのを見るが、なぜ昆虫食自販機が増えているのだろうか? 実際に運営する事業者に話を聞いたところ、ビジネス的な「うま味」が見えてきた…….。 - 「穴が開いたら新品と交換」 ”永久交換保証”の靴下ビジネス、赤字にならないの?
靴下メーカーのグレン・クライドでは、”永久交換保証”付きの靴下を販売している。靴下には消耗品のイメージがあるが、永久交換を保証してビジネスが成り立つのか。社長の橋本満氏に「永久交換保証」の秘密を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.