緑茶の「朝ボトル」を販売して、なぜ売り上げが1.8倍になったのか:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
名古屋市に店を構える日本茶カフェが、緑茶の「朝ボトル」を販売して、話題を集めている。店の外でボトルを販売して、飲み終わったら返却するだけ。1本300円のボトルを販売したところ、店の売り上げが1.8倍になったという。その謎に迫ったところ……。
40〜50年ほど前の話である。酒屋や駄菓子屋などに飲み終えたジュースの瓶を持ち込むと、「5円」「10円」のお金がもらえるので、それを手にして「ニヤニヤ」していた人も多かったのではないだろうか。
「そーいえば、子どものころにせっせと集めたなあ」と思い出にふけったかもしれないが、この仕組みを参考にして「緑茶」を販売したところ、売り上げがコロナ禍前の1.8倍になった店がある。名古屋市西区に店舗を構える日本茶カフェ「mirume(みるめ)深緑茶房」(以下、mirume)だ。
2021年5月にオープンしたmirumeは、緑茶のほかにスイーツなども販売している。以前は「深緑茶房 名古屋カフェ」として、近鉄名古屋駅の近くに店を構えていたものの、新型コロナ感染拡大の影響を受けて、店をたたむことに。固定費などを削減するために、駅から離れたいまのところに移転したわけだが、オープンをきっかけに「朝ボトル」という商品を販売したのだ。
朝ボトルとはガラス製のボトル(300ミリリットル)に入った水出し緑茶のことで、ボトルの中に茶葉が入っている。そこに水を注ぎ足すことで、3煎目まで飲めるようにした。価格は1本300円だが、3回分(900ミリリットル)と考えれば、ペットボトルのお茶とほぼ同じなので、割高感はない。
店舗外のカウンターで緑茶が入ったボトルを受け取り、飲み終えたらそのまま返すだけ。冒頭で紹介したように、ジュースの瓶の場合は、返品率を上げるためにデポジット(保証金)を上乗せしていたわけだが、朝ボトルの場合、返却してもお金は返ってこない。「デポジットを要求すると、お客さんが手にするハードルが高くなるので、価格は緑茶代のみとしました」(社長の松本壮真さん)
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