スノーピークのふるさと納税、品切れ続出 三条市が“アウトドア効果”で10億円突破:昨年度の1.5倍に
新潟県三条市がふるさと納税の返礼品として追加した、スノーピークのアウトドア用品が人気だ。品切れが相次ぎ、同市の寄付額は昨年度の約1.5倍に到達、約10億円を突破した(12月26日時点)。
新潟県三条市がふるさと納税の返礼品として追加した、スノーピークのアウトドア用品が人気だ。11月下旬からチタン製のカップ「チタンシングルマグ」などを順次追加したところ、予想を上回るペースで品切れに。反響を受け、12月27日には16品目を追加した。寄付額は26日時点で昨年度の約1.5倍、約10億円に到達した。
27日に追加したのは、人気のチタンシングルマグ(寄付額8000〜1万5000円)のほか、焚火台Mスターターセット(同5万1000円)、ステンレス真空ボトルタイプ(同1万8000円)など16品目。このうち、チタンシングルマグなど1万円未満の手頃なアイテムは、すでに品切れ状態のようだ(30日時点)。
三条市によると、令和3年度の寄付額は26日時点で約10億6000万円に到達。この時点で令和2年度の実績(約7億2000万円)を上回った。内訳をみると、マグカップや焚火台などのアウトドア用品は約2億3700万円を占めた。
三条市の寄付額は、隣接する燕市(令和2年度の実績は49億円)と比べると大きく差が出ていたが、ふるさと納税の戦略を立案・実行するため、民間企業出身の澤正史氏を三条市CMO(チーフマーケティングオフィサー)として起用するなど本腰を入れ始めた。CMOを中心に、市経済部職員らで構成する「ふるさと納税推進チーム」を設け、返礼品を開拓している。
同市とスノーピークは、地域活性化に向けた包括連携協定を7月に締結。「スノーピーク商品の活用などによる、ふるさと納税の新たな寄付者の獲得」を協定に盛り込み、11月下旬からアウトドア商品を返礼品に追加したところ、人気に火が付いた。令和4年度の寄付金目標額は25億円に設定している。
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