ソニーも参入 各社からEV出そろう2022年、消費者は本当にEVを選ぶ?:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(2/3 ページ)
22年は、これまで以上に「EV」に注目の年となることは間違いありません。なぜなら、22年は市場に販売できるEVがそろう年になるからです。
ホンダ、マツダと輸入車
では、他の自動車メーカーはどうしているのでしょうか。ホンダは、20年8月にすでに「Honda e」というコンパクトなEVを発売しています。マツダも、21年1月にコンパクトSUVの「MX-30 EVモデル」を発売しています。意外に、みんなEVをすでにリリースしているのです。これにトヨタとスバルが加わると、結果として、スズキとダイハツを除く、日本の全メーカーがEVを発売することになるのです。
輸入ブランドはどうかといえば、ナンバー1ブランドであるメルセデス・ベンツは「EQA」「EQC」の2つのEVのSUVを発売済みで、22年はセダンの「EQS」の導入が予定されています。BMWは、コンパクトカーの「i3」、SUVの「iX」と「iX3」が発売済みで、セダンの「i4」も導入間近。アウディはSUVの「e-tron」、セダンの「e-tron GT」と「e-tron Sportback」が発売されており、今年は、さらに「Q4 e-tron」「Q4 Sportback e-tron」を追加するそうです。
そしてプジョーはコンパクトハッチバックの「e-208」とSUVの「e-2008」を発売しており、シトロエンはコンパクトカーの「E-C4」が正月に発売となりました。また、ジャガーは18年よりSUVの「I-PACE」を販売。今年に日本再上陸を予定するオペルも、ハッチバックの「コルサe」を用意しています。最後にフォルクスワーゲンも、どうやら今年中にはハッチバックの「ID3」を日本に持ち込む様子。つまり、22年は、輸入車ブランドも大多数がEVをラインアップしているという状況です。
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