TSUTAYAやAmazonで買えば? 「有隣堂」のYouTubeが、多くの人を”沼らせる”ワケ:えっ、そんなこと言っていいの?(1/3 ページ)
創業100年の老舗書店「有隣堂」のYouTubeが話題だ。MCのミミズクが有隣堂社員と繰り広げる本音トークに中毒者が続出。実際、10カ月で登録者数が36倍になる躍進ぶりだ。視聴者を沼らせるYouTube「有隣堂しか知らない世界」に迫ってみた。
創業100年を超える老舗書店「有隣堂」が運営するYouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」がじわじわと人気を集めている。2020年6月にチャンネルをリニューアルし、21年1月から10カ月で登録者数は36倍の約10万600人に。22年1月現在、12万人を突破している。MCのミミズク「R.B.ブッコロー」と有隣堂社員が繰り広げる本音全開のトークに中毒者が続出しているのだ。
ブッコローは動画内で「Tポイントを貯めたいからTSUTAYAに行く!」「有隣堂誰も行かなくなります、倒産します…」「(有隣堂で販売している干したくあんを食べて)薄ーい消しゴム食わされているみたい」と全く忖度(そんたく)しないスタイルでズバズバと切り込んでいく。
宣伝臭のない「素直さ」にハマり、「他の動画も見たい!」とYouTubeにかぶりついてしまう。多くの人を”沼らせる”コンテンツはどのように生み出されているのか、そのヒミツを聞いた。
「ホラー映画じゃねえかよ」 執筆時間17時間の職業作家に密着
同チャンネルで最も反響が大きかった動画は「職業作家の1日ルーティン」だ。21年10月に公開された映画『護られなかった者たちへ』の原作を手掛ける小説家、中山七里氏の24時間に密着するという内容。中山氏の自宅に定点カメラを設置し、その映像に対してブッコローがツッコミを入れる動画となっている。
「今日はお寿司(すし)取っちゃいました〜」と豪遊する中山氏の日常を楽しみにしていたブッコローだが、動画内で中山氏が口にしたのはエナジードリンクのみ。合計17時間を執筆にあてる生活スタイルに、ブッコローは「ホラー映画じゃねえかよ」と思わず本音をもらす。
同チャンネルのプロデューサーのハヤシユタカ氏は「普段見られない職業の人の私生活が見られる点が、幅広い層から支持されました。業界人や社会学者がSNSで太鼓判を押してくださったことも大きかったです」と分析している。
最多再生回数を誇るのは「ガラスペンの世界」だ。同チャンネルで大人気の有隣堂社員、岡崎弘子さんがガラスペンの魅力と実用性を熱弁。しかし、ブッコローに「最も実用的なのはボールペンですよね?」と一蹴されてしまう。挙句、「ぶっちゃけ、有隣堂よりアマゾンで買ったほうが安くない?」と言われ、アマゾンで商品を検索されてしまう始末だ。
本来の企業YouTubeであれば「ガラスペンすばらしい!」「ぜひ有隣堂でガラスペンを買ってください!」となるわけだが、素直さと本音が全開のブッコローのコメントに「おもしろい!」とハマる人が続出している。
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