freee、限度額5000万円のクレカ「freeeカードUnlimited」 どんな人が発行できる?
freee子会社のfreee finance labは1月26日、最大5000万円の限度額を持つスタートアップ企業向けクレジットカード「freeeカードUnlimited」の発行を開始した。
freee子会社のfreee finance labは1月26日、最大5000万円の限度額を持つスタートアップ企業向けクレジットカード「freeeカードUnlimited」の発行を開始した。
最大の特徴は、最大5000万円という高額な限度額だ。freee調査によると、スタートアップの78%がカードの限度額不足を経験しており、高い限度額のニーズがある。
またカード利用時のオーソリ(与信照会)時点で、カードの利用情報を会計freeeに連携できる独自の仕組みを用意した。当日中には利用情報が取得でき、「月初5営業日で締めたいという経理のニーズ応える」(freee)ことを目指す。
さらに、利用のリアルタイム通知やカードごとに限度額を設定したり、利用をオン、オフできる機能を設けることで、従業員にカードを配った際の統制管理も行えるようにした。
あくまでスタートアップ向け 銀行口座預金などで審査
ただしfreeeカードUnlimitedは、あくまでスタートアップ企業向けだ。申し込むと、freeeに登録され、銀行口座とAPI接続し情報がfreeeに提供されて審査を行う。決算書の提出などは不要だが、銀行口座情報を活用する形だ。
freeeのWebページには、「freeeカードUnlimited発行可能性チェック」が用意されており、法人か個人か、社員数、銀行残高、外部からの資金調達有無を答えると、審査に進めるかどうかが表示される。社員数が100人を超えていて、外部から資金調達をしている法人でも、銀行預金残高が1000万円未満だとNG。また、社員数100人以上で銀行預金残高が5000万円を超えていても、外部から資金調達をしていなければNGだった。
審査はオンライン上ですぐに行えるわけではなく、営業担当と面談して進める形で、中小企業向けというよりも、完全なスタートアップ企業向けだ。
そのため、自社が発行元となるfreeeカードUnlimitedだけでなく、従来通りの提携カードも継続して提供し、強化していく方針だ。「提携カードと与信方法の違いがある。提携カードでしかできないこともある」「自社カード一本にこだわらず、いろいろなサービスを複数提供していく方針」(freee)とした。
カード自体は年会費無料のVisaカードで、保険機能やポイント還元などもないシンプルなつくり。Apple PayやGoogle Payにも対応しておらず、あくまでスタートアップが広告費やサーバ代などの事業費のオンライン決済で利用することを想定している。
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