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快進撃が続くソニー 優秀な人材を生かす背景に「プロ野球のようなFA制度」:ソニーを支える人事制度【前編】(1/4 ページ)
2014年頃まで業績不振が続いていたソニーだが、構造改革を経て、今では安定的に利益を生み出している。構造改革後に追加された社内公募に関する「3つの制度」は、優秀な人材を生かす今のソニーの下支えとなっている。これらの制度について、人事担当者に話を聞いた。
ソニーの快進撃が続いている。
2021年度第2四半期決算(21年7〜9月)は、売上高が前年同期比13%増の2兆3694億円、営業利益は同1%増の3185億円の増収増益。第2四半期実績ではいずれも過去最高を更新したという。2021年度通期業績見通しも、売上高、営業利益、純利益それぞれ上方修正した。
そんなソニーだが、00年代後半から14年頃までは業績不振が続いていた。それが構造改革を経て反転攻勢。15年以降は安定的に利益を出し続ける成長フェーズに舵を切った。
ちょうど同じ頃、人事面で社内公募に関連する“3つの制度”が追加された。ソニー再生の要因には、その人事制度の拡充も関係しているのかもしれない。本記事では、ソニーグループ人事担当の3氏に話を伺った。
新たな挑戦の機会を提供する“3つの制度”
ソニーの社内公募に関する歴史は長い。1966年から「社内募集」という社内公募制度を行っている。社内で人員が必要な部署が公開する求人に、希望者が応募する制度だ。合格者は上司の許可なく異動できる。
事業の構造改革が落ち着き、成長にシフトし始めた2015年。既存の社内募集に加え、新たに追加したのは「FA制度」「キャリアプラス」「キャリア登録」の3つの制度だ。
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