コラム
鉄道の“座席”から生まれた! 「モケット」を使ったグッズが2倍ペースで売れている:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
鉄道車両のシートを使ってグッズを販売したところ、売れに売れている。商品を手掛けたのは、老舗織物メーカーの「日本シール」。どんなアイテムが人気を集めているのかというと……。
突然だが、「モケット」をご存じだろうか。
ポリエステルやウールなどのパイル(繊維の表面を覆っている毛羽のこと)を織り出して、布の片面だけに模様がある織物のことである。耐久性が高くて滑らかな肌触りを感じることができるので、鉄道車両やバスなどのシートによく使われている。
「はいはい、アレのことね。映画館の座席でも使っているところがあるよね。それが何か?」と思われたかもしれないが、そのモケットを使ってペンケースやクッションなどをつくったところ、想定の2倍ペースで売れているのだ。手掛けているのは、大阪に拠点を置く老舗織物メーカー「日本シール」である。
販売を始めたのは、2020年夏のこと。価格はバッグが1万8500円、クッションが1万800円、ペンケースが3450円。決して「安い」とは言えないのに、鉄道ファンを中心に人気を集めているのだ。人気アイテムの国鉄ブルーや阪急バスのアイテムはすぐに売り切れ、1カ月待ちの状態が続いているという。
それにしても、なぜモケットを使った商品を販売することになったのだろうか。よーく考えてみると、「お尻」や「背中」に接している部分の素材である。もちろん中古ではないので、衛生面に問題はないが、商品化のきっかけは銚子電鉄から声がかかったからである。「モケットを使ったクッションをつくってくれませんか?」といった依頼があって、半信半疑で販売したところ、予想以上に売れたのだ。
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