ドバイの「スシロー」は1時間待ちの日も! 海外進出を続ける外食大手が狙う“コロナ後”の世界:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
コロナ禍でも積極的に海外進出する外食企業がある。海外の成長を取り込んでいく狙いがある。各社の戦略を追った。
インドのココイチ
CoCo壱番屋を経営する壱番屋は、20年8月3日、カレーの本場・インドのデリー首都圏、インディラ・ガンディー国際空港にほど近いグルグラムに、インド1号店を出店した。
壱番屋はアジア・大洋州三井物産と合弁会社のイチバンヤ・インディアを19年6月に設立。20年春のオープンを目指したが、コロナ禍で延期した。
ジェトロ(日本貿易振興機構)が同年8月7日に発表したビジネス短信によれば、席数60席(当面はソーシャルディスタンス確保で30席)で運営。メニューは約40種類のカレーのほか、ベジタリアンの多いインド向けにベジタリアンメニューを用意。ノンベジタリアンメニューでも、ヒンドゥー教、イスラム教で禁忌である牛肉、豚肉は使わず、鶏肉や羊肉を使用している。トッピング、ご飯の量、カレーのからさをカスタマイズできるのは、日本と同じ。
当初の顧客は9割が現地在住の日本人だったが、今はインド人の比率が半分ほどにまで上がってきたという。期間限定でカレーうどんを発売するなど、工夫を凝らしている。
米はジャポニカ米を使用、カレーソースは日本から輸入していて、日本のココイチの味を楽しめるようにした。顧客単価は約550ルピー(約770円)。果たして日本式カレーが、インドで定着するか。注目される。
CoCo壱番屋の海外店はインド以外にも、米国本土5、ハワイ4、英国2、中国本土56、香港9、台湾25、韓国31、タイ44、シンガポール7、インドネシア6、フィリピン10、ベトナム2と、12の国と地域に201店がある(22年1月30日現在)。
コロナ前である20年2月の186店から15店増えており、海外への出店意欲が旺盛だ。
ハワイアンカフェ「アロハテーブル」などを含め国内23店を展開するゼットンは、アロハテーブルの本店を09年にハワイのワイキキにオープンしている。
その後、同社はハワイに6店を展開している。韓国にもFCで6店を有している。
ゼットンはハワイにあるそのうちの1店を、21年12月17日に「ナチュール・ワイキキ」というアイランドフレンチの店にリニューアルオープンした。席数は56席。
アイランドフレンチとは耳慣れないが、ハワイの地場の食材を使って、フレンチの技法で調理するお店だ。同店はSDGsの視点も持つ。ハワイにはもともといなかったのに増殖してしまった、生態系を乱すシカや外来種の魚を使って、環境の持続可能性に寄与することを目指す。
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