ドバイの「スシロー」は1時間待ちの日も! 海外進出を続ける外食大手が狙う“コロナ後”の世界:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
コロナ禍でも積極的に海外進出する外食企業がある。海外の成長を取り込んでいく狙いがある。各社の戦略を追った。
日本の焼き肉が海外に
イートアンドグループの「大阪王将」は、ラオックスと合弁会社を設立し、21年9月25日に中国初進出の店舗を上海にオープンした。
新店舗「OSAKA FUN DINING 大阪王将 南京東路店」は、日本の大阪王将とは趣向を異にする。大阪の「食」の楽しさを体験できる空間をつくり、高級感がある中にも、活気あるオープンキッチンを採用。ラーメン、ギョーザのほかに、串カツ、ソース焼きそば、すき焼きなどをそろえた。大阪に来れないコロナ禍の状況でも、現地で大阪に来たような気分に浸れる店になっている。
イートアンドは大阪王将だけでなく「太陽のトマト麺」などアジアで33店舗(21年5月末時点)展開。成長著しい中国本土で、爆買いならぬ爆食を狙っている。
「焼肉ライク」を展開するダイニングイノベーションは、21年11月24日、タイ初出店の店舗を首都バンコクにオープンした。新店舗「Yakiniku LIKE Central Plaza Ladprao店」は開店前から100人が並ぶ盛況だったという。席数は72席。FC企業は、香港のMaxim's。
価格はカルビセット200グラムが259バーツ(約894円)。
日本の焼肉ライクは18年に誕生。海外(台湾)に進出したのは19年5月だ。台湾5、香港6、インドネシア7、シンガポール4、中国1に加え、今回のタイで24店。同社グループの海外店も米国、英国、カンボジア、フィリピンを含め100店に到達した。
海外の焼肉ライクは、その後も出店が続き、29店(22年1月11日現在)となった。国内の「焼肉ライク」も71店(同)と急成長中で、国内外合わせて100店となっている。
ワタミも焼き肉「かみむら牧場」を、20年11月に台湾にて出店。21年12月には香港に出店している。かみむら牧場は鹿児島の和牛生産業者、カミチクホールディングスとの合弁会社であるワタミカミチクが運営する。焼き肉食べ放題の業態で、日本でも7店まで増えた。
日本では100店舗を超えた「から揚げの天才」も、21年7月に上海に出店している。
従来より、同社は「居食屋 和民」などを近隣のアジア圏に出店し、海外店は49店(21年9月末)となった。国内のコロナ禍におけるブランド再編で、海外に重点的に出店するブランドも変わった。
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