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楽天証券のクレカ積立ポイント改定、「最初の目論見が外れた。ビジネスとしての正常化図る」金融ディスラプション(2/3 ページ)

ここ数年で事業が大きく拡大した楽天証券。口座数は700万を超え、国内株式の売買シェアは29%に達し、SBI証券と二強の座を確実にした。一方で、急拡大の弊害も現れてきた。

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獲得の武器だった還元を引き締め

 このような状況から、信託報酬が低い2000本あまりの投信については、カードのポイント還元率を0.2%に引き下げる(記事参照)。

 さらに保有投信に対する継続的なポイント還元も変更する。「投信が伸びない状況のときに、残高に応じてポイントを返していた。しかし低報酬ファンドについては(収入を)全額返すことになっていた。ここは正常なビジネスを行うために修正させていただいた」(楠氏)

 ここに来て利益面の改善に手をつけるのは、証券会社に求められる自己資本比率規制もある。ビジネスが拡大する一方、利益率はだんだん下がってきており、黒字であっても自己資本比率が減る状況にあった。

 こうした理由から「偏っていたコストの利用状況を是正して、健全なビジネスを進めたい」(楠氏)という考えだ。

 では、ポイント改定によりユーザーはどう動くのか。保有投信に対するポイント還元の変更を年末12月28日に発表した(記事参照)が、「年末年始の休みでは他社への流出も見られたが、2週目からは元に戻った。大きな影響はない。積み立てもかなり増えた。ほぼ影響はないと見ている」と楠氏は見る。

 クレカ積立に代わり、新たに電子マネー「楽天キャッシュ」からの投信積立サービスを開始する予定で、こちらは還元率0.5%。これをクレカ積立の後継に位置づけ、今後は楽天キャッシュ積立に移行させていく。

 ポイントの改定はどの程度影響があるのか。「インパクトは当然あり、一定数減っていくかなと覚悟はしている。ただし、0.5%は業界では標準的。他社に劣後するものではない」(楠氏)

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