なぜ水曜日にワークスペースの利用者が増えたのか point0・石原隆広社長が語る“働く場の変化”:オフィス探訪(point0中編)(2/3 ページ)
株式会社point0のプロジェクトの一つ「point 0 marunouchi」は、さまざまな企業が実証実験を行えるコワーキングスペースだ。同社の石原隆広社長に、今後のビジョン、思い描く未来の働き方まで話を聞いた。
「生産性の向上」のために展開しているわけではない
――ところで、気になっていたのですが、point 0の名前の由来ってどこからきているのでしょう。
石原: ロゴを見てもらえると「.0」となっているんです。例えば、「Society 5.0」などもそうだと思いますが、時代がAからBに変わっていくことを表すのによく「.0」と定義されますよね。それと同じように私たちも“場”を再定義したいという思いからpoint0と名付けました。
今はオフィスをテーマにしていますが、今後は商業スペースや空間がある場所なら限定せずに挑戦していきたいと考えています。22年度中には、オフィスではない別の空間での展開も視野に入れています。19年にコワーキングスペースを開設してからノウハウが蓄積され、ある程度の運営スキームも構築できたと思うので、積極的にほかの空間でも展開していきたいです。
――石原代表が考える快適なオフィス空間とはどのようなものでしょうか。
石原: オフィスを快適にすると「生産性が上がる」という話がありますが、私たちは「生産性の向上」のために事業を展開しているわけではありません。ホワイトワーカーの生産性はきちんと図れないと思うからです。
アウトプットできたものは、すぐには形にならないのでそれ自体を定量的に判断できない。そうではなくて、居心地の良い場所で働くことによって、自身のマインドがポジティブになり、ウェルネスな状態であるからこそ、仕事が楽しくでき、その結果として良いモノができあがる。そのように考えます。
「好きこそ物の上手なれ」ということわざがありますが、波長が合う人たちが集まって、心地良い環境があって、モチベーションが上がることで、仕事自体が楽しくなります。
私は自席で仕事していて、集中力が切れたら大テーブルに行きます。「point 0 marunouchi」には知人と雑談したり、まったりしたりできるスペースもあります。そうした“モードチェンジ”ができる複数の空間を有しています。
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