JRが鉄道事業を維持するために、強化すべき「副業」は何か:鉄道会社の苦悩(3/5 ページ)
経営状況の悪化が続く鉄道事業。私鉄各社が多角化した経営ビジネスを進める中、鉄道事業を中心としているのがJRだ。JR各社が今後生き残るために必要な策とは――。
多角化するも鉄道事業が中心のJR東日本
JR東日本は、さまざまな事業を展開している。近年はSuicaによるキャッシュレス決済に力を入れる一方、駅ナカなどの商業施設にも注力しており、鉄道事業をややおろそかにしているのではないか、という見方もできてしまう。
では、そんなJR東日本のセグメント別売上や利益はどうなっているのだろうか? やはりこちらも2020年度の有価証券報告書で見てみよう。
さまざまな事業を行っているように見えて、売り上げの多くは鉄道事業によるものだ。かつ、鉄道事業の利益がコロナ禍で大きく下がり、それが会社を苦しめている状況にある。
鉄道事業の利益の多くは東京圏の通勤輸送により生み出されるものであり、同事業での利益が大きく減ったことで、JR東日本は苦しい状況に追い込まれている。従来は新幹線での輸送も利益をもたらしていたが、これもコロナ禍の影響が出ている。
さまざまな事業を展開するものの、JR東日本はやはり鉄道事業により成り立っている。それゆえに、人件費削減のための都市型ワンマン運転や、人件費、設備費削減のための「みどりの窓口」廃止、「指定席券売機」への移行がさかんになっている。鉄道のチケットレスサービス強化も、人件費とメンテナンス費用の削減の意味合いが強い。
最近では、時間帯別運賃の導入も計画している。これも、ラッシュ時の鉄道への負荷を利用者に負担してもらおうという考えが見て取れる。
JR東日本のセグメント別の状況からは、とにかく鉄道事業でなんとかしないとやっていけないという現状もまた見えるのだ。
では、もっと特定の鉄道事業に依存しているJR東海はどうだろうか?
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