コラム
東京に2つの地下鉄「東京メトロ」と「都営」が存在する理由:何のため?(1/4 ページ)
東京の2大地下鉄「東京メトロ」「都営地下鉄」はどのようにして誕生したのか。現在のビジネス状況とともに誕生の経緯を探ってみる。
東京には、2つの地下鉄がある。「都営地下鉄」と「東京メトロ」だ。このことで、特に地方からやってきた人は戸惑うかもしれない。
今は交通系ICカードを利用すれば、改札にかざすだけで乗車ができる。とはいえ、以前のように現金で紙のきっぷを買い、そのたびに都営地下鉄か、東京メトロあるいは営団地下鉄かを気にしなければならない状況だと、「なんでなんで」となるのも、無理からぬ話ではある。
都営地下鉄を運営する東京都は、地下鉄だけではなく都営バス、東京さくらトラム(都電荒川線)、日暮里・舎人ライナーといった公共交通機関を運営し、都心部でも公共交通機関としての役割を十分に果たしてきた。
地下鉄やバスなどが一体となった経営をし、東京都内に暮らす人や、そこで働く人のための「足」として、十分に役に立っている。
地下鉄が2つある理由は?
「都営地下鉄と東京メトロ、2つあるのはなぜ?」と疑問に思う人もいるだろう。それは1957年の都市交通審議会で、東京メトロの前身の営団地下鉄だけではなく複数の事業主体で建設を進めるべきと定められたからである。
もっとも、営団地下鉄も国鉄(のちに大蔵省、財務省)と東京都の出資で経営しており、「営団」は帝都高速度交通営団法に基づく、国家による統制・管理のためにつくられたものである。そもそも公的機関だったのだ。
2004年に営団は廃止され、東京地下鉄株式会社(通称東京メトロ)となったものの、いまだに株主は財務大臣と東京都である。
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