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鉄道業界に必要なのは「ラガード戦略」 JR東海の「きっぷうりば」が優れているワケ万人に開かれた公共交通のために(1/5 ページ)

日本の鉄道事業者はイノベーションを起こそうと、常に新しいことに挑戦している。一方で万人受けかというと、疑問に思うサービスも多い。「イノベーター理論」で考えると、「ラガード」「レイトマジョリティ」層は戸惑ってしまうのではないだろうか。

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 多くの鉄道会社は、利用者に対して次々と新サービスを提供して、経営面についても新戦略を取ろうとしている。さまざまな会社で戦略性のなさやサービスの陳腐化が問題となり、その課題が解決できない状況が続いているが、鉄道会社は常に新しいことにチャレンジしている。

 一方、その状況についていけない利用者もいる。

ビジネスのターゲット戦略と鉄道


鉄道事業者がターゲットにすべき層とは(画像はイメージ)

 多くのビジネスは、どんな層をターゲットにするかを定め、展開している。「イノベーター理論」では、新製品、サービスの展開を次の5つの段階で示している。

  • イノベーター(全体の2.5%):革新者
  • アーリーアダプター(同13.5%):初期採用層
  • アーリーマジョリティ(同34%):前期追随層
  • レイトマジョリティ(同34%):後期追随者
  • ラガード(同16%):遅滞者

 「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」の順番で、あとになればなるほど保守的で、新サービスの展開に消極的だといわれる。

 多くのビジネスが先進的な層にターゲットを定め、その層に対してサービスを展開している。しかし、そこから取り残された人も消費者として残り、不満を持つことが多い。

 せいぜい「アーリーマジョリティ」層までにターゲットを絞れば、大抵のものは展開できてしまう。しかし、万人が使用するようなものは「ラガード」層まで配慮しないと、ビジネスとしての成功は難しいのである。

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