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鉄道業界に必要なのは「ラガード戦略」 JR東海の「きっぷうりば」が優れているワケ万人に開かれた公共交通のために(2/5 ページ)

日本の鉄道事業者はイノベーションを起こそうと、常に新しいことに挑戦している。一方で万人受けかというと、疑問に思うサービスも多い。「イノベーター理論」で考えると、「ラガード」「レイトマジョリティ」層は戸惑ってしまうのではないだろうか。

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「ラガード」層向けのビジネスで成功している事例

 「ラガード」層に重点を置いてビジネスを展開している企業もある。インターネットでの展開を最小限にし、もともとそのサービスを使い続けてきた人に向けて展開している企業のことである。

 例えば、通販の「ジャパネットたかた」である。現在、多くの通販会社はネットでの販売にチカラを入れていて、各社は品ぞろえの多さなどを競っている。だがジャパネットたかたは、いまだにテレビやラジオでの通販をメインとし、そこからネット注文に誘導、あるいは電話でも注文できるようにしている。新聞の折り込みチラシも多い。

 新聞でいえば、『読売新聞』も該当しているのではないか。全国紙では珍しく、電子版のみの展開はしていなくて、紙の新聞とセットで提供している。紙に愛着を持っている層を手放さないことが大事だと考えているのかもしれない。


「ジャパネットたかた」(出典:公式サイト)

 こうした企業は「ラガード」層をターゲットにして、誰もが使いやすいサービスを提供することにチカラを入れている。

 では鉄道はどうか。鉄道こそ、公共交通として万人にサービスを展開していかなければならない。だが現状は、良くも悪くも、「より前へ」と進もうとしている。

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