昇格はどんなプロセスで決まるのか 将来性をどう判定するのか:昇格、降格人事を考える(1/3 ページ)
昇格はどのようなプロセスで決まるのでしょうか。昇格にあたって最低限満たしていなくてはならない要件(昇格エントリー基準)は2つあります。
1.昇格はどのようなプロセスで行うか
A.エントリー基準の確認
以前述べた通り、昇格は「いま現在格付されている等級の求める要件を満たしているか」という卒業基準を最低要件として、「上位等級に昇格させても大丈夫か」という入学基準を併用して決定するのが適切です(ただし、下位等級の場合は卒業方式だけでも良いと思われます)。
従って、卒業基準は「昇格にあたって最低限満たしていなくてはならない要件」という「昇格エントリー基準」という位置付けになります。
この昇格エントリー基準になるのが次の2つです。
- 人事評価
- 経験年数
また、この基準を満たした者を対象に上司推薦を募る、人事部などが選抜・推薦するやり方があります。
(1)人事評価
昇格の条件として人事評価がどの程度でなくてはならないかを決めます。人事評価は複数回を対象にするのが適当です。
直近の1回だけとすると、良い評価を常に取り続ける実力があるのかを判定するのが難しくなります。「たまたまうまくいった」ということが、現実にはあり得るからです。
しかし、あまり回数を多くしすぎて、過去の評価を引きずるのも問題です。過去をひきずる、つまり「たまたま不幸にして大きなミスをしてしまった」ことが何年も前にあり、既にリカバリーしているにもかかわらず昇格できないということが起こってしまいます。
以上から、人事評価は次のように直近2年分程度を見るのが適当と思われます。ただし、下位等級は直近1年分だけでも良いかもしれません(評価段階はS、A、B、C、Dの5段階とします)。
- パターン1:直近2年で、1年目はB以上、2年目はA以上
- パターン2:直近2年の評価がA以上
- パターン3:直近2年の評価がA以上で、どちらか1年はS
厳しさはパターン1<パターン2<パターン3となります。上位等級ほど、条件を厳しくするのが妥当です。例えば、下位等級はパターン1、中位等級はパターン2、上位等級はパターン3というやり方です。
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