パナソニックの「家電サブスク」に想定以上の問い合わせ、新サービスの狙いは?:賃貸住宅に先進家具を(3/5 ページ)
クルマに自転車、家具に洋服まで、“持たない暮らし”への需要が急増しつつある。そんな背景を踏まえ、パナソニックが物件オーナー向けの家電サブスク「noiful」(ノイフル)を開始した。どんなサービスなのかというと……。
家電とリノベで差別化、家賃収入アップも
22年1月に始まったばかりのサービスということもあり、まだ掲載物件は少ないが、「ノイフル」のWebサイトには、各所にこだわりが見られる物件が掲載されている。
「ノイフル ルーム」には、現状「Brillia ist 浅草橋」というマンションの6部屋が掲載されており、1Rから2LDKまでの間取りとなる。部屋には、洗濯機、冷蔵庫、オーブンレンジがあらかじめ備え付けられている。入居者の希望に合わせて、ドラム式洗濯乾燥機、スチームオーブンレンジ、3ドアの大型冷蔵庫のいずれかを選べる仕様だ。
「ノイフル ライフ」には、現状「noiful base 駒込」というマンションの6部屋が掲載されており、1Rから1LDKまでの間取りとなる。同マンションは、パナソニックが購入した物件で例外の扱いになるそうだ。
上記写真の1LDKの部屋は、2人でストレスなくリモートワークができるデスクがあり、2人で調理がしやすい設計になっている。冷蔵庫、洗濯機、オーブンレンジといった基本的な家電だけでなく、食器洗い乾燥機、IHクッキングヒーターが内蔵されたテーブル、リビングと寝室のデスクカウンター、ロボット掃除機など、今どきのライフスタイルにマッチするような家電や家具が備え付けられている。
「空間リノベーションには、受容性調査により導き出された現代の価値観を多く取り入れています。例えば、一人暮らしの場合、惣菜や冷凍食品の利用が多く、コンロをあまり使用しないという方が一定数いました。そのため、オーブンレンジを入れる代わりに備え付けのコンロをなくし、持ち運びできるIHコンロを置いた部屋があります」(太田氏)
「ノイフル」におけるオーナーや管理会社のメリットを尋ねると、主に「物件の差別化」と「家賃収入の増加」だという。
「先進的な家電があらかじめ備え付けられているため、引っ越しの際の家電購入費用を抑え、利便性が高まります。家電の備え付けとリノベーションによって他社物件と差別化することで、結果的に入居率アップにつながるのではと考えています。また、当社にお支払いいただく月額料金にマージンを上乗せすることで、家賃収入が増加します」(太田氏)
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