パナソニックの「家電サブスク」に想定以上の問い合わせ、新サービスの狙いは?:賃貸住宅に先進家具を(2/5 ページ)
クルマに自転車、家具に洋服まで、“持たない暮らし”への需要が急増しつつある。そんな背景を踏まえ、パナソニックが物件オーナー向けの家電サブスク「noiful」(ノイフル)を開始した。どんなサービスなのかというと……。
顧客の要望に沿って先進家電をパッケージ
「ノイフル」は、パナソニック製の先進家電パッケージをサブスクで提供する「noiful ROOM」(ノイフル ルーム)と、先進家電込みの空間リノベーションと物件マネジメントを併せて提供する「noiful LIFE」(ノイフル ライフ)の2つのサービスから成り立つ。
「ノイフル ルーム」は、物件オーナーや管理会社の要望に沿って、予算や物件の立地、間取りを考慮し、先進家電をセレクト。月額支払いのサブスクで提供する。提供する家電は、給湯器やエアコンなど設備系に分類されるものを省き、パナソニックが過去1年以内をメドに販売した家電を対象としている。
契約期間は1年間からが目安で、短期間でも契約はできるが、月々の支払額が高額になるため現実的ではないそうだ。
一方「ノイフル ライフ」は、オーナーから預託された物件に、くらしアプライアンス社が家電などを導入し、空間をリノベーション。さらに、入居者に貸し出して家賃を回収するといった物件マネジメントも提供する。
デザイン性のみならず、機能や使い勝手にこだわった空間設計に注力し、例えば、食卓としてもデスクとしても使えるマルチユースなカウンターや空間に調和したエアコン収納など、各所に工夫が見られる。資金・礼金をゼロとし、基本的な家電があらかじめ備え付けられた設計のため、入居者に対して引越し費用も含めた初期費用を抑えやすい特徴も。
オーナーが得る家賃収入については、入居者が支払った家賃から、家電などのサブスク費、及びマネジメント費などを差し引いて、くらしアプライアンス社がオーナーに月額で支払う。空間リノベーション費については、オーナー負担、またはくらしアプライアンス社負担の2パターンが可能。前者はオーナーが初期費用として最初に支払い、後者はオーナーに支払う月額から一定金額を差し引くそうだ。
家電のサブスク、空間リノベーションは基本的に自社で対応するが、物件マネジメントのみ管理会社に委託するという。2つのサービスはいずれも、家電の配送・設置・回収、及びアフターサポート・修理・交換がパッケージ費用に含まれる。家電の保証期間などがなく、自然故障に無償で対応するのも入居者のメリットといえるかもしれない。
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