牛乳瓶のフタが2000個も売れた! 「1960年代のデザイン」に迫ってみた:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
牛乳瓶のフタをカプセルトイで販売したところ、売れに売れていることをご存じだろうか。カプセルの中にはアタリのような形で「1960年代のフタ」が入っているわけだが、そのデザインをよーく見ると、気になることがいくつか出てきた。どういうことかというと……。
昭和の小学生“あるある”を紹介する。
真冬、上半身はしっかり防寒具を着込んでいるのに、下はなぜか半ズボンであったり、下校時、ジャンケンに負けた人が全員のランドセルを背負ったり、教室にエアコンがついていなかったり、ストーブで給食のパンを焼いたり――。このようなことを書くと、「オレが小学生のときは、こんなことをしていたよ」「ワタシが通っていた小学校では」といった声が聞こえてきそうだが、個人的に思い出すのは「牛乳瓶のフタ」である。
大きく手を広げて拍手をして、その風圧で相手のフタを裏返す。きちんとひっくり返すことができれば、そのフタを手にすることができる(息を吹きかけてやることもあったが、コロナ禍ではNG)。クラスの中で最もフタを集めていた者は“英雄”だったし、どこで手に入れたのか分からないが、見たこともないフタを持っていた者も“カリスマ”扱いされていた。
や、ちょっと前置きが長くなってしまったが、牛乳瓶のフタをカプセルトイとして販売(1回100円)したところ、売れに売れていることをご存じだろうか。手掛けているのは、三重県の伊勢市に拠点を構える「山村乳業」だ。
2021年12月15日、同社の2店舗で始めたところ、1カ月で約1000個が売れた。2月にオンラインで販売(カプセル5個:600円+送料)したところ、わずか5日で約1000個の注文が入った。カプセルには5種のフタが入っていて、現在扱っている11種のほかに、1960年代に販売されていた製品のフタ4種がランダムに詰まっているのだ。
実際、カプセルトイを回した人からはどのような声が届いているのだろうか。同社の山村卓也さんに話を聞いたところ、「40〜60代の人からは『昔、こういうフタがあったよね』『懐かしい』といった声が多く、10〜20代の人からは『かわいい』『エモい』といったコメントがありました」
年配の人からは「懐かしい」、若い人からは「かわいい」と違うコメントがでているわけだが、そこには歴史的な背景がある。瓶に入った牛乳が学校給食から姿を消しつつあるからだ。
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