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イオンの「最低賃金以下」問題から見える、“安いニッポン”の無限ループ:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
イオン九州が、パート従業員を最低賃金よりも低い時給で募集していることが明らかになった。とはいっても、これは単純なミス。システムの更新がきちんとできていなかったので、過去の“安い時給”が表示されていたわけだが、筆者の窪田氏は「見過ごせない出来事」だと指摘している。どういうことかというと……。
「2022年3月31日まで値上げしません! 価格凍結!」
流通大手イオングループのプライベートブランド「トップバリュ」の売り場には、こんなポップがいたるところに掲げられているが、よもや「パートの時給」まで上がっていなかったとは――。
3月5日、イオン九州(福岡市)が、熊本県内などのスーパーのパート従業員を地域別最低賃金よりも低い時給で募集していた、と『熊本日日新聞』が報じた。
現在、熊本の最低賃金は821円で大分は822円。しかし、熊本のマックスバリュでは時給793円、大分のイオンでは792円と最低賃金を下回る賃金で募集がなされていたというのだ。
といっても、イオン九州によればこれは「時給を掲示するシステムなどの更新がきちんとできておらず、チェックから漏れていたもの」だそうで、過去にさかのぼって賃金台帳を確認したところ、現実には最低賃金以下で雇用した従業員はいないという。
「なんだよ、じゃあわざわざ騒ぐような話じゃないじゃん」とか「イオンだってそれくらいのミスはするだろ、地方紙はそんな粗探しみたいなことをしてヒマだな」と思う方もいるだろうが、筆者は日本経済を弱体化させている原因が垣間見える深刻なニュースだと考えている。
それはひとことで言ってしまうと、「安さの無限ループ」である。
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