ホリエモン自ら会社説明 宇宙ベンチャーISTが求める人材と新時代の働き方:エンジニアが舞台裏語る(4/5 ページ)
北海道大樹町に本社を置く宇宙開発ベンチャー、インターステラテクノロジズは、人材を集めるべく、三大都市圏で会社説明会を開いた。稲川貴大社長や、ファウンダーの堀江貴文氏をはじめ、同社の主要開発スタッフ5人が登壇。2021年7月の2回連続ロケット打ち上げ成功の舞台裏が明かされた。
トヨタからの出向者「感動が味わえるのはIST」
また、ロケットの打ち上げ失敗は、エンジンの不具合に起因することも少なくなかった。その意味で、エンジンはロケット開発の要ともいえる。推進システムを担当した浦野繁幸さんは「エンジンが先に完成しないと当然飛ばせないので、試験を繰り返していました。振り返ると、燃焼試験は約30回、小さなものを合わせて設計変更を13回しましたが、何とか打ち上げに間に合いました」と振り返る。
実は浦野さんは、トヨタ自動車でガソリンエンジンの開発を10年以上、手掛けていた。そのあと2年間という期限付で、ISTに出向している形だ。浦野さんは、大手自動車メーカーからベンチャー企業に移った働き方の変化について、筆者の取材にこう打ち明ける。
「出向して早々にロケットエンジン開発のリーダーを担当しましたが、開発の方法やポイントは自動車と共通点も多いと感じました。大変な時も一緒に乗り越えてくれた仲間に恵まれたのも大きいです。
ISTには、不確定なことを含め、今この瞬間にできるベストで行動することを重視する文化があります。間違えたと気付いたらすぐに修正すればよく、失敗しても責められることはほぼありません。そのおかげで自分もやってこられたのかなと思います。開発期間が短く大変な時もありますが、短期間で結果が出る面白さがあり、この感動が味わえるのはISTならではといえると思います」
説明会では7月のロケット打ち上げ成功の様子を撮影した動画が公開された。エンジンの様子が手に取るように分かる浦野さんは、この時いち早く成功を確信し、誰よりも早くガッツポーズをしていた。年単位で成果がはっきりと出るベンチャー企業ならではの働きがいとも言えるのだろう。
説明会で座談会をしている折、5人のエンジニアたちは熱く語りながらもよく笑い、そこには高い目標を掲げながらも互いを信頼し合うチーム力を感じた。19年の時点で約20人だったISTのメンバーは、約80人までに増えている。
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