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ロシアのウクライナ侵攻、日本企業が備えるべき本当の怖さ:世界を読み解くニュース・サロン(3/5 ページ)
ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、サイバー攻撃が世界を襲う可能性が指摘されている。ロシアが公開した「非友好的」な国家・地域のリストに含まれていた日本。今後懸念される影響とは……。
「身代金要求型ウイルス」が増加する可能性も
米国土安全保障省(DHS)のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャ・セキュリティ庁(CISA)は、ロシアからビジネス部門などを狙うサイバー攻撃を警戒するよう発表した。しかも、米政府が懸念するのは、ランサムウェア攻撃。ランサムウェア攻撃が増加する可能性があるので注意が必要だとしている。
ランサムウェア攻撃とは、「身代金要求型ウイルス」のことである。ランサムウェアに感染すると、コンピュータは暗号化され使えなくなってしまう。暗号化を解除して元通りにするにはコードなどが必要になるが、感染したPCには解除コードが欲しければ「ランサム(身代金)」を払えというメッセージが掲示されるのが一般的だ。
最近では、企業などがバックアップを取るなど、身代金を払わない対策が世界的に広まりつつある。そのため攻撃者は暗号化の際に、内部情報やデータを盗み出しておいて、身代金を払わない場合でも「内部情報を公開されたくなければカネを払え」と脅迫する。この「二重脅迫」が今では当たり前になっている。
ではなぜ、ウクライナ侵攻の混乱時に、ランサムウェア攻撃が増えているのか。
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